AJ千葉主催Fleche Japon 2012レポート(チーム奥多摩一家)
フレッシュは昨年の福岡に続き2回目。通常のブルベとは規定が違い、24時間でできるだけ長距離を走る。詳しくはこちらを参照。
前回参加出来なかった[twitter:@koganei3]さんと[twitter:@eijitom]さんのリベンジが主な目的だったのだが、企画途中で結局お二人とも参加出来なくなってしまい、昨年に引き続き参加の[twitter:@j_trad]さん、[twitter:@terrawell]さん、そして[twitter:@kazuak]さんの4人で出走することとなった。
フレッシュはコースをチーム自身で決める必要がある。今回は小金井さんの発案で奥多摩スタートの北関東半周ルート。自然な流れ?で前日は奥多摩家での前夜祭に…。DNSとはいえ、小金井さんと[twitter:@okutamaki]さんには大変お世話になった。
金曜夕方の中央線は満員電車。輪行袋を持った人間にはかなり厳しい。
三鷹あたりでやっと人が空き始め、2時間かかって奥多摩に到着。
既にkazさんとj_tradさんは到着しており、出遅れてしまった。ほんの数百メートルなのでビンディングシューズを履かずに走ったら、途中の激坂でダンシングしたときに足が滑ってしまい落車。やっぱりビンディングに慣れてしまうとペダルが固定されないのは危険だ。よぼよぼと到着。
しばらくビールを頂いているとterraさんも到着。全員で健闘を誓ったのであった。
さすがに程々で宴会は終了し、翌朝。朝食はひよこ豆のカレー、おかわりまでしてしまった。
出発前に、今回残念ながらDNSだったeijitomさんがお見送りに来て下さった。
おみやげが
ビールと
ハワイ土産のお菓子。お菓子は補給食として頂きました。
今回DNSの方も含めて、チーム全員で記念写真を撮ってスタート地点の奥多摩駅へ移動。
たまたま居合わせた、terraさんの知り合いの女性自転車集団と遭遇。例によって、どこまで行くんですかと言われて説明に困る。
奥多摩駅の入場券を窓口で買って時刻証明とし、出発。
吉野街道は梅の花が咲いていて人通りが多そうだということで、奥多摩街道の方を行く。
ガーッと下って青梅でPC1…のはずだったが、なんと予定していたコンビニが無くなっていた。前回の福岡でもPC2で食らったのだが、コースを試走しないフレッシュでは想定される事態ではある。暫く行った先のスーパーマーケットで代用することにした。
補給食の大福を買って出発。このあたりでなんだか小雨がぽつぽつ来ていたのだが、天気予報は悪くなくそのうち止むだろうということで気にしない。
しかし雲はどんより…
今回は僕以外の3人がPBPオフィシャル反射ジャケット着用。
途中でちょっとしたトラブル。kazさんが先行していたj_tradさんと接触し、前輪スポークがゆがんでしまった模様。前輪が少々振れてしまった。
とりあえず、走行に支障は無さそうなので進む事に。
埼玉ブルベでよく通る県道30号。ゆうパークおごせの近く。
今回は最短ルートでGPSトラックを引いたため、随所で変な道を通らされることになった。
小さな川沿いに桜が咲いている。こんな細い道を進んでいったら…
途中で未舗装路になってしまった。やはり試走しないルートは色々罠がある。仕方ないので引き返して回避。
寄居を過ぎたあたりからいよいよ向かい風がきつく、微妙なアップダウンの連続もありスピードが出ない。信号も多くペース上がらず。僕はずっと後ろに張り付いてコバンザメ状態…。寒がりのterraさんは重ね着。
上信越道藤岡ICのあたりでPC2。向かい風で全員かなり消耗。
雨は降らなかったが、まだ空は暗い。
昼飯をどうしようか、という話になったのだが、既に15時近く、また店のあてもないので、ここでしっかり食べてしまおうということに。疲れていたこともあり、30分位長居してしまった。
ここから先は進行方向が変わり、またしばらくはフラットなのでかなり楽になった。しかし相変わらず市街地で信号は多い。うーん、やはりブルベのルートはよく考えて作られてるよなあ、というありがたさを実感した。僕は追い風になってやっと先頭を引き始めるという卑怯者。
はしっているうちに空は晴れ、気温が上昇してきた。午後4時になってやっと、という感じではある。
terraさんは着たり脱いだり忙しそうだった。
日が大分傾いている。とはいえ、5時半近くでこの明るさだから、日が長くなったものだ。
足利でちょっとした丘とトンネルを一つ通過。下ったところで、50km以上走ってしまったので休憩を入れることにした。
日はもう沈みかけ。さて、いよいよナイトランの始まりだ。佐野市のあたりだったのでラーメンの看板も見かけたが、夕飯は宇都宮で餃子と決めていたのでスルー。
東武線葛生駅の踏切。かなり暗いが最近のデジカメは画像処理でどうにかしてくれて心強い。
この後、100m位の登り(最後はかなりきつかった)とトンネルを通過。栃木市に入り、田んぼの中の農道を走らされる。(といっても、自分たちで作ったルートなのだが…)
ふと横を見ると、赤いまん丸の月が出ていてちょっとびっくりした。地表近くなので大きく見える。普段のブルベは一人で走ることが多いのだが、こういう感動を他の人とリアルタイムで共有できるというのも、フレッシュのおもしろさだ。
デジカメで撮ってみたが、流石に走行中に月を撮るのは無謀だった。
それでもこれくらいは撮れるのだから大したものだ。
PC3到着。餃子までもうひとがんばり。
kazさん情報で、PARCOの地下にある餃子のフードコートみたいなところに行こう、ということになり移動。しかし残念ながらラストオーダーが10分前だったという…
ということで、駅前の宇都宮餃子館にやってきた。僕が宇都宮ブルベで駅前に泊まるとよく来る店。駅前に自転車をとめておくのは少々不安ではあったが。
ナイトランに備えてガッツリと炭水化物を取るために僕とkazさんは鉄板焼きそばセットに追加餃子、j_tradさんはラーメンセット。terraさんは餃子12個の食べ比べセット。
iPhoneを見ると、楽天トラベルから宿泊1週間前の確認メールが届いていた。そういえば、来週も宇都宮ブルベでここに来るんだなあ、というのを今更ながら思い出し感慨深い。
腹を満たし、根が生えてしまう前に出発。気温がかなり下がってきており寒い。仕方なく出発する、という感じでだるい。
走り出してほどなく、Edge800の温度計は0℃まで下がった。冷え込むとは聞いていたが、まだ日付も変わっていないのに氷点下とはかなり想定外。それなりに着込んでは来たが、完全真冬装備にしてこなかったのを後悔。
鬼怒川を渡ると市街地から離れ、徐々にいかにもブルベっぽい田舎道になってくる。寒いが信号は少なく、やはりこうでなくては…
と強がってみたもののやはり寒いのは寒い。先頭kazさん、僕が2番目で走っていたら、後ろが遅れてしまっていた。寒いので負荷を上げて体を温めようとしていたら、微妙なアップダウンでペースがずれてしまったようだ。フレッシュではチームは集団走行が基本なので、剛脚でかっとんでいってしまうkazさんと後ろが離れすぎないように牽制。しかし自分も寒い。
そしてやはり、適当に最短ルートで引いてしまったので何カ所か酷いところがあった。
ほとんど何も写ってないが、また未舗装路になってしまった。仕方なく回避。他にも、ちょっと迂回して国道を行けば平坦なのに酷い激坂を登らされたりとか…
気温は下がり続けて、-4℃。ここまで冷えるとは予想してなかった。
さらに、走行中にサイコン(SC-7900)の電池警告が。まあなんとかなるだろ、と思っていたらあっというまに画面表示が消えてしまった。えー。警告出てから消えるまで早すぎだろう…流石シマノのサイコンは徹底的に駄目だ…。
途中でコンビニを発見。寒すぎるので休憩に入った。ついでに電池を交換。SC-7900は、CR2450というコンビニどころかそこら辺の電気屋にすら普通には売ってないボタン電池を使うので、予備は常に持ち歩いていたのだ。幸いにもペアリングや各種設定データは消えずに残っていたが、スタートからの距離はリセットされてしまっていた。フレッシュでは総距離が重要なんだが、何故このタイミングで。
とにかく暖かいものを食う。
外に出たら、ちょうどブルベの格好をした人が通り過ぎる所だった。声をかけられたので手を振り返したのだが、なんか、僕の名前を呼んでいたような…… 後で実はそれが同じフレッシュを走っていた[twitter:@gak_t12]さんだった事が発覚。フレッシュでは、同じ時間帯に違うチームが並走しないようにコースと時間を調整するのだが、やはり実際にはしっているとこういうこともある。それが楽しみの一つでもあるのだ。
気温が氷点下なので、当たり前だがボトルの水も凍結し始めていた。走行中は揺れているからか凍っていなかったのだが。飲み口が凍ってしまい水が飲めない。
これから先、PC4の10km手前に24時間営業の健康ランドがあるはずなので、そこまで行こうという話になった。
しかし、出発して10km進んだ地点で、まさかの24時間営業マクドナルド発見。温泉に入ってしまうと時間を食ってしまうだろうから、ここで仮眠を取る方針に変更。ちょっとヤンキーっぽい連中がいて気になるが、自転車が見える席が確保できたのでよしとする。
胃にもたれなくて暖かそうなもの、ということでミニパンケーキにした。
時刻はまだ1時過ぎで、まだ眠くなる時間には早いのだが贅沢は言っていられない。何となく、うたた寝で意識を失ったかどうか、という程度。いつでもどこでも寝られるスキルが欲しい…。
ここで、j_tradさんからバンダナをお借りした。これで頭の寒さが大分楽になった。
残り距離と時間を考えると、余裕を持って2時過ぎには出発した方がいいだろうということで重い腰を上げて出発。気温は相変わらず-4℃、ボトルは凍ったまま。terraさんが本当に寒そうな声で弱音(失礼w)をつぶやいていた。
またしばらく変なたんぼ道を通り、3時過ぎに東海村のPC4に到着。
寒いので早々に出発。早く日が出てきてくれ…
ここから先は基本スーパーフラットなのだが、いよいよ眠気であくびが出てきてしまいやばくなってきた。terraさんとj_tradさんも眠気と疲れで遅れ気味?のようだ。kazさん先頭で走る。途中寒さと眠気とトイレで、コンビニ休憩。ガムを買う。
空は明るくなってきたのだが、日の出前が一番寒い。
はやく太陽出ろ−、とコンビニの駐車場で念じていたら、出た!
これであとは気温は上がる一方。ということは、眠気がますます厳しくなる…
kazさんが前方に見えなくなり、terraさんにも道を譲り、マイクロスリープが来始めたのでやばいと思い、仮眠することにした。
といっても、10分位うつむいていただけだが。(terraさん撮影)
鹿島、神栖の市街地に入り信号が多くなる。天気は良く気温も順調に上昇。
このまま何事もなくPC5、のはずだったのだが、いざ着いてみるとキューシートのセブンイレブンの店名と実際の店名が違う。検索すると、本来のPC5の店は数キロ手前にあるらしい。どうやら、ルートラボでルートを作ったときに店の名前を取り違えていた可能性が高い。とはいえ、そんな場所にセブンイレブンは無かったのだが…
とりあえず、検索で出てきた本来のPC5の店の電話番号にかけてみるが、出ない。到着地点の店の人に聞いてみると、そういう店はこの辺にはない、という。これは多分その店は無くなったということなのだろう、と判断し、到着地点のコンビニを代替PC5とすることに決めた。
あとはナイスプレイスの銚子へ平地を走るだけ。気温が10℃近くなってきたので、防寒装備を脱ぐ。
雨の千葉ブルベで走った国道124号を通り、銚子大橋を渡る。
シャッターを押してもらい記念写真。
ここで多少時間調整をし、スタートから24時間である9:40の時刻証明のため、近くの売店で買い物をしてレシートゲット。無事、フレッシュ完走となった。サイコンの距離が各自かなり違っていたため、なんとなく中間っぽいところで377kmの走行距離となった。
この後、受付場所であるぎょうけい館というホテルまで行き、ブルベシートを11:00までに提出する必要がある(そうしないと認定がもらえない)。といっても犬吠埼から数百メートル。
受付には既に凄い数のランドヌールが集結してきていた。知ってる方も多数。フレッシュは年に一度のブルベの全国大会みたいなものなのかもしれない。
新潟スタートのチーム若手。吹雪、凍結路面の中を生き延びて来たらしい。
このほかにも600km以上走ったチームとか、凄いチームがたくさん。我々のコースは全然楽であったのだなあ。
風呂に入り、懇親会へ。
さすがに凄い人数で、全部のチーム紹介は出来ないのでスポットで紹介されていた。
我々奥多摩一家も、完走を祝って乾杯!
色々な方と話をして楽しいひとときを過ごした後、重い足を引きずって帰途へ。
酒を飲んだ人が多いので、当然のように最寄りの犬吠駅は大量の輪行者で溢れることとなった。
2両編成の銚子電鉄にこれが全部載るのか不安になる。
ほぼ1両独占してしまったが、一応載った。
そして3時間以上かかって銚子から帰宅したのであった。
今回は、申請コースについて厳密に最短ルートで引いていたため、細い道や交通量の多い道があったり、必要以上に曲がり角が多かった。中には未舗装で通れない道もあった。事前に実走用のルートを用意するつもりだったのだが、それが結局出来ずじまいであった(実走距離が360km以上であり、かつ事前提出距離のプラスマイナス20%以内であれば認定はOK)。また、想定外の寒さで装備が不足してしまった。コース上の飯ポイントもいまいちリサーチ不足。やはりロングライドは事前の準備が重要で、ブルベのルートはそれなりに考えられているのだなあと実感した。
それはそれとして、今回も決起大会という名の宴会や前夜祭も含め、チーム走行イベントを存分に楽しむことが出来た。去年のメンバーに加えkazさんという知り合いも増えた。人と人とのつながりでメンバーが集まり、またネットワークが広がったことに感謝したい。来年あたりは誰かのチームに潜り込んで走るかなあ、とか考えている。