akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM627宇都宮600kmレポート(4)

広域農道とは、農作物をトラックで輸送するために整備された道路のことらしい。なので、山であってもつづら折りなどせず、まっすぐに登ってまっすぐに下りるとても男らしい道になっている。去年の埼玉600kmでビーフラインと呼ばれる道路を走りその過酷さは知っていたので、覚悟は出来ていた。が、やはり450km走ってきたあとでこのアップダウンはつらい。時間的余裕も少ないので、登りはインナーローでひいひい登り、下りは少しでも時間を稼ごうと下ハン持ってスピード出しまくり。一番下った所にある一時停止の標識には殺意を覚える。が、交通ルールの遵守はブルベ参加の最低条件であるし、そもそも左右の見通しがよくないので怖くて止まらざるを得ない。

広域農道を終えてからの区間は下りだったこともあり、PC10到着時点での貯金は1時間。休憩もそこそこに走り始める。が、やはり出発後に眠くなる…どうにかならないものか。道端のベンチで仮眠。東屋でやはり2名の方が寝ていた。しばらくは下り基調だが傾斜は緩くほとんど平地。一番の敵は尻の痛み。

PC11では、歯の痛みの方もバカにならなくなってきたので、いわゆる液体歯磨き(口をゆすぐもの)を買って使ってみたら、多少楽になった。今後は歯ブラシ持って走るべきか? それはともかく冷たいそうめんが心底うまかった。

PC11を出発してしばらくすると、「広域農道 八溝グリーンライン」の標識が見えた。広域農道…?まだあったのか? やっと石川広域農道をクリアしたと思ったのに…再び広がる絶望感。しかしここまできてリタイヤするわけにはいかない。

傑作だったのは、荒川を渡った橋からの登りにあるトンネル。普通トンネルというのは水平かあるいは傾斜を緩くして作るものだと思っていたが、このトンネルは坂道の傾斜そのままに地中を進んでいる。こんな登りのきついトンネルは初めてである。そして抜けるとまたトンネル。目の錯覚で下りに思えるが、実は水平。

八溝グリーンラインをクリアするとしばらくは平坦区間。ここでまた、眠気がやってきた。対処方法はもう分かっており、とにかく止まって気絶するだけ。時間とのかねあいが難しいが。特に厳しい区間ではなかったのだが、さすがに疲れており巡航速度は上がらない。交差点で信号待ちをしていたら、なんでもない場所なのに立ちゴケしてしまった。残り距離と時間から、まあよっぽどゆっくり走ったりメカトラブルがあったりしない限りは間に合いそうだと分かってきたので、どうしてもダラダラした走りになってしまう。サンヒルズCCの坂を越え、東北自動車道をくぐると段々見覚えのある風景になってきた。最後に鶴CCの激坂をダンシングでクリアし、ゴール。疲れたー。


畳の上でしばし休憩。紙コップで作った味噌汁の塩気がうまい。参加者やスタッフの方と、今回のことを振り返ったり今後のブルベの話をしたり。こういう時間は楽しいものだ。天気が怪しげだったので来年の再会を約束しつつ早めに宇都宮駅に向かったら、案の定駅直前でポツポツやってきた。危なかった。

駅中で蕎麦を食ったら、また急に眠気がやってきた。携帯を打っている最中に意識が飛ぶというのは初めての経験だ。やはり600kmは厳しい。


さて、というわけで今回もなんとか完走できたわけだが、PC8をスタートした時点ではかなり厳しいと思っていた。少なくとも、ブルベというイベントの枠組みが無かったら、尻の痛みが激しくなった時点で電車に乗っていたであろう。そこでモチベーションを保つことが出来るのが、僕がブルベに参加する理由の一つであると思う。なんとなく、他人の力を借りてるようにも思えるが。

次は福岡300kmを挟んで埼玉1000kmに出る予定。去年の1000kmは400kmでリタイア。それから何か進歩しているのかというと、むしろ体力は落ちていそうである。また、600kmでこんなに眠くなってしまっているようではかなり難しそうだ。でも、眠気の対処法など多少なりとも経験値が溜まってきているような気もする。

ゴール地点でAJ宇都宮の方が「1日300kmずつに区切って走って休むようにする」というようなことを言っていた。なるほど。1日単位で少なくとも眠気はリセットしないとならないということだな。尻の痛みに関してはシャーミークリームやReSkinという対処法があるらしいし、脚の方はまだなんとか廻りそうでもあった。ともあれ走るだけ走ってみようと思う。