akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM627宇都宮600kmレポート(3)


PC7(PC5と同じコンビニ)に着いた頃には、既に真っ暗。貯金はPC6での休憩が効いて180分に減少。さすがに腹が減ったので油ものの禁を破ってつくね串などを食う。出発しようとしたら、地元の人が「なんか、この辺で有毒ガスが出てるらしいよ?」と話しかけてきた。その人は普通の風邪用マスクを買ってたみたいだけど、有毒ガスだったらそれは効かないだろう…と思った。また行政の広報車らしき車がスピーカーで外出しないよう呼びかけていた。そんなこと言われてもなー。あとからニュースを見ると、塩化水素ガスが漏れていたようだ。

http://www.asahi.com/national/update/0628/TKY200906270308.html

とりあえずどうにもならないので、とにかくその場を離れようということで出発。後からPCに入ってきた方は「ここじゃなくて先にある道の駅で休憩しようかな」と言っていた。


途中、常磐線をくぐるあたりの道が複雑で、しかも明かりが全くなく非常にわかりにくかった。GPSがなかったら間違いなく途方に暮れていたであろう。

PC8に着いて驚いたのが、虫。店のガラスにびっしり張り付いているのはともかく、店内の床一面に虫。これってかなりまずくないか?店員は虫取り網を手に持ち振り回している。トイレの中にも虫。写真を撮っておけばよかった。店の入口にある業務用送風機は、入ってこようとする虫を吹き飛ばそうという魂胆なのだろうか。そして、飯をくれとすり寄ってくる猫。店から出てくる人間が食い物を持っていると知っているのだろう、しつこくまとわりついてくる。当然餌付けはしなかったのだが。

また、尻の痛みが耐え難いのでなにかベビーパウダーっぽいものがないかと思い「さらさらパウダーシート」というのを買ってみた。で、トイレに入り尻をそっとぬぐってみると……突き抜ける痛み!どうやらいわゆるギャッツビー系の汗拭きシートだったらしく、傷口に塩を塗り込んだだけだったorz

そしてここから先は、トンネルの連続する登り区間。その先にも広域農道が控えていることを考えると、かなり絶望感が漂う。しかし時間と場所を考えると今更どうしようもないので、とにかく出発。この道は、去年の埼玉600kmではやはり深夜に爽快に下って、そのスピード感とナトリウム灯の景観が醸し出す非現実感に感激したものだが、こんどはそれを逆に登るわけである。今年も、違う意味での非現実感を味わう事になった。

とにかく眠くて暗くてどうしようもない。まさに暗夜行路。意識がもうろうとしており、訳の分からないことを考える。なんか、自分がチームの監督で登ってる選手に指示を出してるけどそれって自分だし、みたいな。また気を失って路肩に突っ込むこともしばしば。ハンドル持って立ったまま寝てたりとか。途中で何人かに抜かれたような気もする。自動車からなにやら「頑張れー!」とか声を掛けられたのだが、半分意識を失った状態で走っていたので心底驚いて「ウェーイ」とかいう謎の奇声を発してしまった。今から考えれば、どこかでしっかり寝てから走った方がよっぽど時間をロスしなかったであろう。結局、13km程度の区間に2時間かかってしまった。最後のトンネルを出たら下りなのだが、この状態で下ったら死ぬと思い、ちょうど2人の方が休んでもいたので、トンネルの出口でとにかく眠ることにした。

トンネルの出口なので風が強く、前回400kmの時に買ったのだが使わずじまいだったアルミ蒸着の防災シートを使ってみることにした。薄いので見た目より遙かに大きく広げる事が出来、また防風性能もバッチリ。快適に(もちろん、比較の上での話)寝る事が出来た。

ハッと気がつくと1時間ほど経過していた。既に周囲は薄明るくなってきている。休んでいた人も既に出発したようだ。次のPCのクローズまでは2時間ちょっとで、距離は34km。貯金はほとんど使い尽くしてしまったようだ。大急ぎでアームウォーマーとレッグウォーマーをつけ、ウィンドブレーカーを着ていたら、トラックが止まって運ちゃんが缶コーヒーをくれた。アツアツでかなりありがたかったのだが、何しろ時間が無かったので話をしつつ内心ヒヤヒヤ。水戸から毎日この道を通っているのだと言っていた。いわゆる、一期一会ってやつだなあ。アームウォーマーとレッグウォーマーはこの季節必要かどうか迷ったが、やはり標高が高い場所での明け方はそれなりに寒い。


防災シートは、一度広げてしまうと元通りの大きさに畳むことはほぼ不可能だということが分かった。とりあえず適当に畳んでダイナパックに無理矢理押し込み、下りへ。
しかし下りは一瞬で終わり、あとは登りであった。既に明るくなっていたのとさすがに眠気は引いていたので、頑張ってペダルを廻す。結局PC9に着いたのはクローズの40分程前であった。ドロップバッグの中のジャージ、アンダーウェアに着替え、タオルを交換。また、eTrex HにはPC9から先の区間は入れてないので、ここでForetrex101に交換。

例によって出発してから眠くなり、こまちダムの東屋で一眠り。時間に余裕がないのであまりゆっくりは出来ない。あぶくま高原自動車道をくぐると、いよいよ石川広域農道へ…。