akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM320埼玉300kmアタック愛鷹 レポート(暴風ブルベ再び)

今年初の300kmブルベとなる埼玉300kmに行ってきた。埼玉では日光東照宮に北上する300kmも同日開催されていたが、最初の300kmなので、地元に近いのと、走ったことのあるコースが多そうだということでなんとなく愛鷹山一周のコースを選択した。しかし当日の風向きを考えると、北上コースの方が楽だったような…

スタート地点は、入間川にかかる豊水橋の河川敷。荒川を延々走って何回か行ったことのある、大盛りで有名な店「古都」のさらに先。スタート時刻は8:00にしておいたので、輪行で当日行っても十分間に合う。4:00起きで西武池袋線に乗り、入間市駅へ。


電車の中で日が昇る。北口には他に一人、輪行の人がいた。前々回の反省に基づき、スタート地点近くのコンビニでドリンクと補給食を仕入れる。ここでいきなり薄皮つぶあんパン3個入りを発見し、幸先がいい。隣の交差点を、7:00スタート組の参加者が走っていく。



スタート地点でいつも通り受付、ブリーフィング、車検を終えてスタート。今日は一日中東南からの風が強いらしいので、折り返しまではほぼ向かい風となってしまう。まあ、風なら先週の千葉200kmでひどいのを体験してるから、それほどではないだろうと高をくくっていた。




高尾駅までは、多少のアップダウンがあるもののほぼ平坦な道。年度末らしく道路工事が多い。途中エスケープに使う新満地トンネルは風情があった。向かい風はそれなりだが、まだ足が元気なので問題なし。高尾駅直前でちょっとミスコースをして遠回りしてしまった。他に後続の人2人も巻き込んでしまって申し訳なかった。地図無しのGPSだけ見て走ってると、微妙な角度の曲がりでどっちに行くか迷うことが多い。


大垂水峠で調子に乗って何人か追い抜く。下りはいつも通り爽快。ブルベ参加者以外の自転車乗りが対向で走ってくるのも数多く見かけた。下りきってしばらく走ると、なにやら前方が渋滞していて、折角平地なのに時間を稼げなくなってしまった。後でtwitterを見ると他の参加者も同様だったようだ。また、スタッフの車が渋滞にはまって有人PCのPC3オープン時刻に間に合わなくなりそう、というハプニングもあったらしい。まあ、どうせ藤野で宮ヶ瀬の方に曲がるんだから大したことはないだろう、と思っていたら、中央高速の相模湖インターから先は空いていて拍子抜け。

藤野駅手前でR20を別れ、橋を渡ってPC1のコンビニへ。


最近ブルベで多用しているコーラとおにぎり分を補充。暑かったのでここで上に来ていたウィンドブレークジャケットを脱いで腹に巻き付ける。




ここから先はアップダウンがそれなりにきつくなってくる。「ぶるべの樹」(ブルーベリーの略だろう)の看板を通り過ぎ、宮ヶ瀬ダムを横に見て、道志みちに合流。緩やかな登りが延々と続く。向かい風が段々つらくなってくる。

山桜が綺麗。


山伏峠。以前走ったときはそんなに苦労した記憶がなかったのだが、最後の2〜3kmがだいぶきつくて大変だった。


トンネルを越えると、山中湖まで快適な下り。とはいえ向かい風。湖から1本離れた道路を走ったのであまり湖は見えなかった。道路の向こうに真っ白な富士山が見える。


湖畔を離れ、篭坂峠への登りへ。標高は山伏峠とほぼ同じ。篭坂峠は特に何も無いが、ここでこの先裾野までの下りに備えてジャケットを再び着用。

一部渋滞していたがそんなに長く続かずに脱出。途中、路肩に何かの動物のひどい轢死体があり、運良く避けられたがあまり気持ちのいいものではなかった。

コースは実家の近くを通り、湯沢交差点で右折し県道394号に入る。以後PC2までほぼ1本道だ。それなりの傾斜で下っているはずなのだが、向かい風、道があまり良くない、信号多いであまり快適な下りとはいかなかった。地元で走ったことのある人間としては、R246の方がよっぽど走りやすく安全(道幅が広いので)だと思うんだけど、どうしてこっちのコースにしたのだろう。距離の関係だろうか。


PC2でしばし休憩。区間の距離が長くて大変だったと思ったのだが、PC3とPC4の間はこれよりも長いのであった。疲れたのでレッドブルを補給。

PC2〜PC3のメインはほぼ平地の県道22号。何の変哲もない住宅地の道だが、幅が狭くて走りにくい。これも、並走するR1を通った方が楽じゃないのかなあ。こっちは走ったこと無いけど。途中で右折してから多少登ってたなあ、というくらいの気持ちで行ったら最後の数kmが激坂で参った。脚が元気ならともかく、130km以上走ってこれはきびしい。


PC3に着いた頃には汗だらだらだったので、どうせすぐ寒くなることが分かっているのにアイスを買ってしまった。あとコーラ。ここはスタッフのいる有人PCなので、ブルベカードにタイムを記入してもらう。「ここからは楽になるよ!」との言葉だったが、そんなことは(あまり)無かったのであった。

そろそろ太陽が沈む…。

PC3出発後いきなりミスコース。これもやっぱり微妙な角度の分かれ道に騙された。引き返して正しいコースをしばらく走ると、なにやら林道っぽい雰囲気に。しかも、結構な傾斜の坂。走っているうちにちょうど日も沈んでしまった。しばらくいけば、走ったことのあるR469に出るはずだと記憶していたのだが、なかなか広い道に出ない。途中、駐車場で車の誘導をしてる人に声を掛けられた。

最後は蛇行しながらR469に出たときにはもうすっかり真っ暗になっていた。傾斜は大分楽になっている。調子よく登っていると、今度はなにやらガスってきた。標高が上がるほど濃くなる。前が見えない程ではないが、視界が良くない。しかも、小雨がぱらぱら落ちてきた。

富士サファリパークを過ぎたあたりから下りに転じる。風は既に追い風基調になっているのでスピードは出るのだが、真っ暗なのとガスっているせいであまりスピードは出せない。カーブと後ろからくる大型車も怖い。安全運転(のつもり)で下る。東富士演習場(大野原)の真ん中を走っている時、焦げ臭いにおいがしていたのだが、どうも野焼きをした直後だったらしい。しかも、事故で人が3人死んでいたそうな…。そりゃこんな強風の日に野焼きなんかやったら危なかろう。それを知って走っていたらまた別の意味で怖かったであろうなあ。下るに従って霧は晴れていった。雨も止んだ。

御殿場市街に入るとまた地元のよく知った道。先ほど走ったR138を横断。コースが交差する。R246との交差点、古沢を過ぎたあたりから駿河小山駅前までは特に傾斜の大きい下りとなる。街灯の多い区間でもあるので50km/hで一気に下る。そこから先はR246と脇道を行ったり来たりする山道。追い風基調ではあるのだが、あまりにも風が強く時折突風に吹かれて危険。道路には折れた小枝などが散乱している。

市街地に入り松田駅前を過ぎ、小田急線沿いにしばらく山道を走るとR246に復帰する。横断歩道を渡る際に何故か立ちゴケ。ここから先は15kmほどR246のアップダウンに付き合う事になる。風は場所によりあったりなかったりだったが、東に進めば進むほど強くなる。途中トイレに行きたくなったのといい加減疲れたのでコンビニ休憩。コーラとおにぎり補給。

R246から分かれ東名高速に沿って走り始めると、いよいよ風が強くなってきた。しかしまだここでは完全な追い風だったので楽なだけだったのだが、清川村に向かって左折してからが酷いことになった。西からの風がとにかくものすごい。暴風である。しっかり固定されていないあらゆるものが道路を左から右に飛んでいく。開けた場所では特に酷い。飛ばされた土や砂が顔に当たって痛い。当然、走行も不安定になり時々立ち止まって踏ん張らないとならないほどだ。


バス停の標識はことごとくなぎ倒され、ベンチがひっくり返っているところもあった。一斗缶のようなものが飛んできて、それを自動車が車体の下に巻き込んでしまい、アスファルトとこすれて火花を散らしながら走っていくのを見たとき、あらためてブルベがエクストリームなスポーツであることを実感した。


PC4で補給。ゴール後泊まるためにホテルを予約してあったのだが、この時点で24時までにゴールすることは不可能なことが確定なので、2時位になってしまうと電話連絡。フロントは24時間対応可能とのことで一安心。風は全くおさまらないが再度上りへ。周囲の木々がもの凄い音をたてている。デジカメで一応動画を撮ってみたのだが、暗くて全くよく分からないものになってしまっていた。

登っている最中に、スタッフの車から声を掛けられた。「上まで行くと突風がひどいから気をつけて!特にトンネル!」とのことだった。これより酷くなるのかよと思ったが、大して変わらなかった。しかし宮ヶ瀬周囲のトンネルの風は確かに強烈で、平地なのに全く漕がなくても40km/hまで加速する。信号待ちで止まって走り出そうとしたとき、後ろから突き飛ばされるように加速してビックリしたりもした。横風で小石がバラバラ飛んできたときは本気で身体の危険を感じてうずくまってしまった。怖すぎる。あと、夜中なのに気温が全然下がらない。電光表示板では18℃だった。正直暑い。

高尾の市街地に入ってからはさすがに酷い風は吹かなくなってきた。中央線を横切って武蔵陵墓地を越えると、追い風平地の広い道路で調子よく飛ばせるようになった。しかし今度は睡魔が襲ってくる時間。途中路肩でうずくまって意識を失うこと数度。けっこうなタイムロスだが、制限時間に間に合うことは確実だったのであまり気にしない。新満地トンネルの遊歩道は並木の大枝がたたき落とされていた。後始末が大変そうだ。


そんなこんなでなんとか豊水橋まで戻ってきた時には時刻は2:20になっていた。18時間20分でゴール。ブルベカードを提出し、いつものようにメダルを申し込んだら、なんとその場で300kmのメダルが出てきた。通常はブルベカードと一緒に郵送されてくるのだが。在庫がたまたまあったのかしら?頂いた豚汁がうまかった。

その後ホテルにチェックイン。部屋に入って我慢しきれず風呂に入る前にビールを空けてしまった。耳の穴から砂粒が出てくる…。シャワーを浴びて寝る頃には時刻は4:00くらいになっていた。その後外では雨が降ったようだ。危なかった。

というわけで、2週連続で暴風に煽られるブルベになってしまった。いわゆる春一番というやつなのだろうか?夜に気温が全く下がらず不気味だった。この季節のブルベは風に注意しなければならない、という教訓を得た。ディープリムとかディスクホイールとか絶対禁止。

それはともかく、今回は300kmとは思えないほど中身が濃かった。ゴールした後、大垂水峠を越えてたのって何日前だっけ?というような感じだった。何回か走ったコースを走ると距離が実感できるからなのだろうか。次の週は富士山一週200kmが所用でDNS決定なのだが、正直それでよかったと思えるくらい充実してしまったブルベであった。(レポートの量もやたら多い…)