akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM612北海道300km「パノラマ300」レポート

今回のコース

去年は申し込んでおきながら事情でDNSだったこのパノラマ300km。準備万端で臨みたかったところなのだが、色々あって、1ヶ月ほど1mmも走らないままこの日を迎えてしまった。それに加え、2週間前にひいた風邪が治ったばかりで体調も万全とは言い難い。経験的に、1ヶ月以上ブランクがあると登りがかなり退化してしまうことが分かっている。しかも今回は山岳スペシャルなコースだという…


不安を抱えたまま飛行機で北海道へ。前泊のため札幌駅から歩いてすぐのホテルにチェックイン。夕飯どうしようかとtwitterでつぶやいたところ、寿司、ジンギスカンなどの情報が出てきたのだが結局スープカレー。よく考えたら昼飯もカレーを食ってしまっていた。

10時前には寝ていたと思うのだが自信はない。翌朝、目覚ましより早く4時頃目が覚めた。朝飯食って着替えてスタート地点の大通公園へ。前の方をオダックス埼玉のジャージの人が走っていた。遠征仲間のようだ。



天気は快晴。なのだが、体調がいまいちなせいかどうも気分が乗らない…。かなりの人数だったのだが、特にウェーブスタートはせず一斉にスタート。


PC1までは追い風平地区間で、信号で止まるのを除けばきわめて快適に35km/h巡航だった。後半多少上り下りはあったが。

PC1でおにぎり補給して出発。ここからはいよいよ上り。まずはほぼ海抜0mから650mの毛無峠まで登る。まだ午前中の早い時間なので気温は上がっていないが、天気は相変わらず快晴で日差しは強い。脚も温まっており、いい調子で登れる。

標高が上がるにつれ展望が開けてきて、気分も高揚する。先ほどの気分もどこかへ行ってヒルクライムを楽しむ事ができた。

峠を超えると高速下り区間。50km/hで一気に降りる。


途中、中山牧場という看板があり何人かの方がおそらくソフトクリームを食べていたのだが、今回は後半きつくなることがわかっていたので、あえて止まらず先を急ぐことにした。なんか、道路の陥没の所にチョークでマークがしてあるので、高速で下りながらそれらを避けていく。シューティングゲームのようだ。道が悪いという事前情報の通り。

標高150m位まで下ったところで鋭角に曲がり、樺立トンネルへの上りになる。気温が上がってボトルの中身が心許なかったので、自販機があったらドリンクを補給するつもりだったのだが、結局見つけられないまま上りに入ってしまった。どうしようかと思っていたが、運良く仮設住宅っぽいところで自販機を見つけられた。この区間は橋が多かった。


トンネルを越えると、向こう側に蝦夷富士、羊蹄山が青空にくっきり見えた。


広大な畑の中を直進してPC2の倶知安へ。

暑くて腹がだいぶ減っていたので、そうめんとおにぎり、さらにアイスを食った。

少々食い過ぎで、例によってこの後眠くなってしまった。帯広から車で来たという参加者の方と話をした。本州から見ると札幌と帯広では同じ北海道で大して離れてなさそうに思えるが、200km位あるのだそうだ。「このあたりは走ったことがないのでよくわからない」と言っていた。やはり北海道は広い。

次は一山越えて海の近くの岩内まで、30kmの短い区間。途中から、さっきまでの好天がウソのようにガスってきてしまった。海側は全然天気が違うようだ。

パノラマラインとの合流地点にシークレットあり。スタッフの方が名前を確認。岩内のPC3ではさっきの反省に基づき、コーラとゼリーのみ補給。少々寒かった。コンビニにトイレもなかったのでとっとと出発。

折り返して登り始めるが、100kmちょっとなのに既に脚が売り切れ風味。やはりブランクが長いとだめだ。何人かに抜かれた気がする。先ほどのシークレットポイントの場所にトイレがあったので、さっきいけなかった分の用を足す。

そこから先はひたすらきつい登りだった。だらだらと10km/h前後で登る。途中から、再び青空が出てきた。

頂上近くの神仙沼の売店に着く直前あたりで狐?に遭遇。

売店では最後尾グループになっていた。しかし誘惑に負けてアイスクリームを食べる。

そこからさらに100m位登って、今回のコース最高地点の830mに到達。周辺にはまだ雪が残っていた。

峠から下りを見下ろすと、草津白根山を思い出させる絶景。硫黄のにおいまで漂っていた。

ワインディングロードを下ると甘露水の補給ポイントを発見したが、さっきと同じ理由でパス。

ほぼ下りきったところでPC4ニセコ。あまり腹が減っていなかったので、ゼリーとバームクーヘンのみ買った。羊蹄山を写真におさめて出発。

ここでキューシートをよく読まなかったのが罠だった。次のPC5はコンビニではないので今からだと時間的に補給が難しいのだ。区間の途中にある最後のコンビニを逃すと、札幌市街に入るまで100km、無補給区間なのだ。それに気づいたのはPC5に着いてからだった。

そうでなくてもこの区間はアップダウンが多く、眠気と疲労でもうへろへろになってしまっていた。眠くてしょうがないので、ちょうど道の駅が見えてきたので休憩に入ろうとしたら、中学生くらいのお子様に「がんばってくださーい」と応援されてしまい、なんとなく休憩しづらくなってしまう、小市民というか見栄っ張りというか。このあたりは牛がいたり、時期を選ぶとパッチワーク状の畑が見られたりするであろう北海道らしい一帯だったが、あまり風景を楽しむ余裕はなかった。2回ほど休憩した。


そして広島峠を何とか越え、日没の時間にPC5到着。


気温は肌寒くなっている。前述の通り補給食がバターロール2個だけであることに不安を覚えつつ、とりあえずドリンクだけ補充して出発。

滝笛トンネルまで上ると支笏湖まで下りなので、トンネル入り口でウィンドブレーカーを着込む。

下りはやはり道が悪かった。支笏湖畔は微妙なアップダウンが多く、暑くて眠くなってしまうのでウィンドブレーカーは脱いだ。既に真っ暗で湖の様子はわからない。草むらの中に野生動物がいるような気配がする。途中、眠くて危なかったので駐車場で小休止。

支笏湖温泉街に、遅い時間まで営業してくれているレストランがあるという話だったのだが、場所をよく調べてなかったし、制限時間の方が心配なのでスルーする。補給食はまだパン1個残っている。コンビニはなかったが、最後の登りに備え自販機でドリンクを補給し、缶入りコーンスープを飲む。

湖畔をぐるっと回っていよいよ登りに入る。あたりは真っ暗の単独行。これぞブルベ。ただし走り屋っぽいクルマが多かった。さすがに眠く、何回か路肩でうずくまる。その間に女性二人組に抜かれてしまった。ふと見上げると、満天の星空。これぞブルベ。

600m地点、思っていたよりも早く峠に到着し下りに入る。登り返しが何回かあるが、あとはゴールまで下り。ここの区間も前情報通り、道がとても悪かった。大きな陥没はあるし、でこぼこが酷い。山を下りてからも酷く、これはやはり、スパイクタイヤアスファルトが削れるからなのであろうか。

信号にひっかかりつつ最後のコンビニでレシートをゲットし、0:30ごろゴール。タイムは18時間半くらいだった。


後4人、とスタッフの方が言っていたので多分最後から5番目だったのだろう。ホテルの大浴場が2:00までなので、ブルベカードを提出し、挨拶して早々にホテルに戻った。

フロでさっぱりして部屋に戻りパソコンでtwitterを見てみると、関東では同じ日程であちこち600kmが開催されていたので、その人たちがちょうど仮眠を取っているところだった。疲労困憊ぶりを考えると、正直、300kmで本当に良かったと思った。こちらは天気に恵まれていたのも良かった。なんとなく申し訳ない感を味わいつつ、眠りについたのだった。

翌朝はホテルのバイキング朝食で腹を満たし、さらに空港でジンギスカンを食って帰京。

300kmにしては月曜以降も筋肉痛が残り、さすが山岳ブルベというだけのことはあった。しかしそうはいっても、今回は10%超の激坂は無かった気がするし、宇都宮や埼玉のコースを考えると、特に厳しいという訳でもなかった(ヒーヒー言いながら走ったくせに)。走り込んでおけば、あるいは体調が万全だったらもうちょっと長い時間楽しめたのではないかなあ、とか調子のいいことを考えてみた。だいたいのブルベは200km手前で苦行モードに入るのだけど、今回アドレナリンが出まくったのは最初の毛無峠だけだった気がする。特に今回はせっかくAJ北海道スタッフ謹製の北海道らしさ満載のパノラマコースだったので、もったいなかった(天気も良かったし)。