akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM904千葉600km喜多方レポート(睡魔にやられてDNF、しかも落車2回)

ほぼ3ヶ月ぶりとなるブルベである。手賀沼を出発し、猪苗代湖の向こう側、裏磐梯を回って戻ってくるコース。2010年のSuper Randonneurおよび走行距離3200kmがかかっている。↓のGPSデータは、今回リタイヤのため途中まで。

いきなり600km、しかも深夜0時スタートという不安要素満載だからか、妙に気分が乗らない。結局ダラダラして仮眠も取れないまま、自宅を出発してしまった。(後から考えればこれが今回最大の失策だったのだ)

我孫子駅前では参加者が何人か自転車を輪行袋から出していた。

いつもに比べて遅くなってしまい、スタート地点の道の駅しょうなんに着いた時には既にブリーフィングが始まっていた。スタート時間は時差スタートで0:20になった。

待っている時間に声をかけられぎょっとすると、近くに住んでいる知り合いの人が冷やかしに来ていた。

時間になりスタート。PC1までは91kmで、600kmだとさすがにPC間の距離が長い。途中で一度休憩を入れないと厳しそうだ。途中までは前回の千葉ブルベで一度走ったことのある平坦区間なのだが、前回は昼で今回は深夜なので見覚えのある感じはあまりしなかった。スタート集団は徐々に信号で分かれてしまい、しばらくすると一人旅に。

走り始めてから1時間位で、眠気らしきものがやってきた。まずいまずい、今からこの調子では先が思いやられると思っていて走っていたのだが、60kmちょっと走ったところで瞬間的に気を失って道路左の歩車道境界ブロックにクランクが激突、そのまま歩道に突っ込んでしまった。

幸いにして左腕にかすり傷を負った程度で済んだのだが、居眠り落車は5月の神奈川400km以来だ。しかも今回は走り始めてわずか3時間。これはちょっと、まずいんじゃないの。なんか気が乗らなかったのはこのせいなのか。しかしさすがにここでDNFする気にもなれず、気を取り直して走り出す。しばらく走ると、ちょうど東屋とトイレのある駐車場があったので、ここでしばらく眠気を解消させてもらうことにする。

20分位仮眠したら、空が白んでいたので出発。明るくなるにつれて眠気も薄くなってきた。

5時過ぎに91km地点、PC1に到着。実はずっと向かい風基調だったのだが、それでも1時間貯金が出来た。いきなりコンビニの前で寝ている方もいる。やはり深夜スタートは厳しい。

左クランクを見てみると、付け根が思いっきり削れていて、DURA-ACEがURA-ACEになってしまっていた。リアディレイラーも既にロゴが削れてるし、どうもDURA-ACEロゴが呪われているようだ。

休憩しているうちに日が昇ってきた。

PC1出発後も相変わらず断続的に睡魔が襲ってきて厳しい状況。落車はもういやなので、自販機に併設のベンチを見つけて2回ほど10分弱横になるが、なかなか眠気が取れない。本当にこれで大丈夫だろうかと不安になるが、それでもそのうちまともに走れるようになった。

8時頃、路上に警察の車と救急車が止まっており、こんな時間に救急車ってのはひょっとして、と思ったら案の定自転車が2台あり、どうやらブルベ参加者が事故ってしまったようだ。

既にけが人?は救急車に収容され、ちょうど病院に行くところだった。その場にいた参加者の方によると、2台で走っており、先行車のブレーキに間に合わずに追突してしまったらしい。自転車には見たところ大きな損傷は無かったのでたいしたことはないとは思うのだが……。→(追記)どうやら、Twitterでフォローしている@micron_gooさんだった模様。脊椎損傷?の可能性もある大事故だったようだが、結果的には大きな後遺症は残らずに済みそうとのこと。ブログ記事がこちらに。現場にいた人は「Nさん」だったのかしら。

PC2までの間には仮眠休憩できそうな小公園がいくつかあった。速い人ならこのあたりまで来て仮眠することもできるんだろう。

天気は快晴で、8時を過ぎた頃にはもう十分暑くなっていた。水が足りなくならないよう、ボトルが1本空になるタイミングで自販機で補給。

福島県に入ってしばらくするとPC2。暑くてタマランのであずきバーとざるそば。本当はそうめんが食いたかった。

ここまではほぼ平地と緩やかな登りだったのだが、次の区間からいよいよ本格的に登りが始まる。



しばらく緩やかに登り、傾斜が厳しくなる前に自販機でボトルを満タンに補給。直射日光が厳しいので日陰に逃げる。

10%の看板がお出迎え。しかし、無駄にエネルギーを蓄えた腹のおかげか、先週乗鞍を登ったせいか、200km近く走った後にしてはいいペースで登れた。最後の激坂区間を除けば15km/h位をキープ。勢至堂トンネルを抜けていったん下り。

黒森トンネル(この名前に反応する自転車乗りは多そうだ)にむけてちょっと登った途中で、ブルベスタッフっぽい車と自転車が止まっている。あ、場所的にシークレットPCか、と思ったがそうではなく、純粋な差し入れポイントだった。


冷たい湧き水で冷やしたトマトをいただいた。うまい! おしぼりで首筋をひやし、湧き水をボトルに補給。黒森トンネルを抜けると10km程下り。

下の方は車が多いので気が抜けない。左手になにやら巨大な仏像?が…


会津盆地の平坦区間に入ると、ひたすら暑い上に道が悪く、車も多いのでスピードが出ない。そして眠い。これはたまらん。ダラダラと走るが途中耐えられなくなって路肩で座り込んで休憩。うつらうつらしていたら、自転車の立てかけ方が不十分で、事もあろうに右側に思いっきり倒れてしまった。あああディレイラーが……。そして、サドルの飾りパーツも取れてしまった。とりあえず手ではめておく。

走り始めると、どうもシフトの調子が悪い。インデックスがずれているようだ。やはり、さっき右側に倒してしまったときにハンガーがわずかに曲がってしまったらしい。なんてこったい。電動シフトなのでインデックス調整は走りながらでも簡単にできたのだが、精神的ダメージはでかい。

道の両側に喜多方ラーメンの店が並ぶが、時間のロスを考えるとゆっくり店でラーメンを注文している時間はないし、ラーメンなんて食ったら胃にもたれて仕方なくなってしまう。速い人や胃腸の強靱な人なら、ここでご当地グルメを楽しめるのだろう。ああ余裕を持って走れるようになりたい。

PC3 道の駅喜多に到着。ここは有人PCで、スタッフのテントが立っていた。ブルーシートの上で仮眠している人もいる。

ブルベカードにチェックを受けて、氷水で冷やしたプラムとキュウリ、麦茶をいただいた。ゆったりとしたBGMがスピーカーから流れ、なんとも平和。しかしまだ、600kmの半分も走ってないんだよな……

氷はないかと思って売店の中を探したが、無かったので後でコンビニに寄ることにして、PC3を後にした。少々時間を食いすぎてしまった。

次は前半の山場、900mと1200mの峠2連発だ。ドリンク・氷の補給とさすがにカロリーが不足している気がした(空腹感はあまり無かったが)ので、上りに入った直後にあったセブンイレブンに入る。さっき食えなかったそうめんを発見したので思わずゲット。

あとはおにぎり1個とドリンク、カップアイス。

さてこれでもうひとがんばり、と思って走り始めたのだが、腹にものを入れてしまったのがまずかったのか、なんだか激しい眠気に襲われてしまった。またかよ。しかもなんか体が妙に熱い。そうめんの薬味のしょうがが原因か?(しかし、さすがにあれだけの量では…)いずれにせよ全然スピードが出ない。傾斜もそれなりにきつい。さっきの登りほどではないが、9%の看板も見える。

そうこうしているうちに日が沈んでしまった。

脚はまだ売り切れてなかったので、気合いを入れてガシガシ登っていると後ろにぴったりと着いて登ってくる参加者の人が。体調が悪いので引っ張ってください、と言われた。それはまあこんな貧脚でよろしければどうぞ、なのだが、息も絶え絶えでしかも眠気で意識朦朧としている状態なのでろくに会話をすることもできなかった。大変申し訳ございませんでした。>このときのどなたか

そのうち前方に二人組の参加者が見えてきて、追いついてしばらく4人で登るが、段々僕のスピードが落ちて離され気味に。途中で3人が止まって休憩したので、僕も思わず釣られて休憩。自転車を倒して路面に座り込む。3人は先に出発してしまったが、僕はしばらく休憩していた。じつはここから最初のピーク、取上峠まではもうすこしだった。

峠を越えてちょっとのところに「道の駅裏磐梯」があったので迷わず休憩。多くの参加者が同様に休んでいた。時間的にはもうあまり余裕は無いのだが…

ドリンクを補給し、せっかくベンチを確保できたのでちょっとだけ横になる。しかし虫が寄ってきてあまり落ち着けず寝られなかった。もう既にあたりは暗くなっている。6月のブルベに比べると日が短くなっているのがよく分かる。

ウィンドブレーカーを着てここからいったん300mほど下り、二つ目の登りに入る。今度は標高600mから1200mまで登る。まさに山場。そして眠い。まだ時間は早いが今回の暗夜行路区間の始まりである。

くらいねむいつらい。正直言って、よく覚えていない。はじめの方は例によって頑張って登っていたのだが、段々脚が回らなくなってふらついてくる。ふと気がつくと頂上の土湯峠に到着していた。結局、18kmを1時間40分くらいかけて登ったようだ。まあ、一昨年の埼玉で12kmを2時間かけたのに比べればだいぶましとはいえる。

とりあえず眠くて眠くてしょうがなかったので下る前に横になろうとしたら、車でスタッフの方が待機していて、なんとシートとブランケットを貸してくださった。なんというありがたさ。ブランケットを広げるのも面倒だったので適当にひっかけただけだったが、ホント暖かかった。ごろんと横になり、ふと上を見上げると、360度満天の星空。おおすげえ、と思ったのもほんのわずか、数秒(体感)で眠りに落ちた。

20分くらいで目が覚めた。下った先の岳温泉PC4までは約18km、タイムリミットまでは50分位。下りなので大丈夫だとは思うが、余裕はほとんど無いと思った方がいい。再度ウィンドブレーカーを着て、スタッフの方にお礼を言って下り始める。仮眠のおかげで下りの最中に眠くなることはなかった。気温的にはおそらく20℃を下回る程度で、うすうすウィンドブレーカー以外は不要な感じだった。温泉街らしく硫黄臭がする。途中、下を見ると郡山市の夜景がよく見えた。時間は無かったが思わず一枚だけ写真を撮った。

真っ暗なのであまり攻めた走りは出来ないが、それでも標高差800mを35〜40km/h位で急いで下る。結局PC5のタイムは22:54、残り18分だった。0:00スタート組だったら間に合わなかった時刻だ。

当然、次の区間もほとんど余裕は無い。缶コーヒーだけ飲んでスタート。しばらく下ると、国道4号に出る。下ってる間は大丈夫だったのだが、国道4号の単調な道を走っていると、再び眠気が襲ってきた。峠の上で中休止を取ったのに、今回は本当に眠気がしつこい。時々危ないと思って歩道を走ったりしてごまかしたが、どうにもならず路肩で意識を失うこと数回。いつもならこれでどうにか乗り切れるのだが、今回は眠気が収まらない。休んでいる間にも、何台かに抜かれた。というか、最後尾だと思っていたのだがまだこんなに後ろにいたとは思わなかった。ひょっとして眠気が取れないのはカロリーが足りてないせいじゃないのかと思ってまだ残っていたクリームパンを食ってみたが、あまり変わらず。

おそらくタイムリミットを気にして、いいペースで走る3台の後ろについて出発。どうやら女性を引っ張っているらしい。その後2台も加わって6台の集団でしばらく走る。国道4号から分かれて阿武隈川を渡り新町街道、緩い登りに入る。途中で2台組の1台がパンク。これはタイム的に厳しい。「どうぞお先にー」という声を聞いて走り続ける。

20km/h以上をキープしてどうにか走っていたのだが、傾斜がきつくなり始めて段々先行車との間が開くことが多くなってきてしまう。眠気もやばく、時々反対車線にはみ出そうになっていることも。ああやばい、と思っていたら、左側の路肩に激突。やってしまった、今回2回目の居眠り落車。

左側が草地で助かったようだ。車体の被害はダイナパックの取り付けがずれてしまった程度のようだが、左手の親指付け根を強打してしまったようでかなり痛む。あとは左膝にかすり傷。

この落車で、さすがにちょっと今回はやばいと思って、口に出して「今回はリタイヤしよう」と決意。このまま走り続けたら大けがの可能性もある。街灯のあるところまで走り、被害の程度を確認。DNFの連絡をスタッフにした。走行距離391km、走行時間約26時間で今回のブルベは終了。無念。考えたら、400kmの時間制限が26時間だからやはりこの時点でタイム的にもうだめっぽかったのが分かる。

さて、次はどうやって家にたどり着くか。携帯のGoogleマップで確認したところ、登ってきた道のすぐそばに水郡線谷田川駅があるらしい。6km程下るだけだ。今回は運が良かった。本当に山の中でリタイアすると、2008年の宇都宮1000kmの時のように山を越えて40km以上走らされることもある。どうせ時間があるので郡山まで走ればもうちょっと早く帰れる気もしたが、途中で居眠り落車したらたまらないので自重した。

下っている最中で、まだ登っている参加者を見かけた。さすがにもう間に合わないであろう…。

駅との分岐点にこれまた運良くコンビニがあったので、油ものを解禁。カップラーメンとハンバーガーがうまい…。

谷田川駅は完全に無人駅のようで、改札も無い。ワンマン運転のようだ。いい具合の待合室があったので、ここで朝まで寝させてもらうことにする。いわゆる「駅寝」(STBともいうらしい)人生初体験である。

自転車を輪行袋に入れて準備する。始発は6:25で、まだ3時間くらいある。待合室の中にもカエルとか虫がうろうろしているが、あまり贅沢は言えない。冷え込みに備えてレッグウォーマーをつけ、ウィンドブレーカーを着たまま横になる。やはり数秒で眠りに落ちた。

地元の子供?にプギャーされて目を覚ましたような気がするが、記憶が定かではない。気がついたら5:30位だった。既に明るくなっているが、日の出はまだ。体中が汗で気持ち悪い。しばらくすると太陽が昇って暖かくなってきた。何故か電車の時間を6:45と勘違いしており、電車が到着してから荷物を持って急いで反対側のホームに滑り込み。なんとか間に合った。

水郡線は非電化単線のようだ。いつも思うのだが、田舎のローカル線は味がある。ブルベでなくいつかはゆっくりと電車の旅で来てみたいものだ。(未だ実現した試しがないが)

郡山から東北新幹線で帰京。新幹線でも東京まで1時間半、運賃も8000円近くかかる。いかに遠くまで行ったかを実感する。当然電車の中でも爆睡。そんなに混んでいなかったので幸いにも隣は人がいなかったのだが、もし隣に人が座ったら汗臭くてたいそう迷惑をかけたことだろう。

いったん家に帰ってシャワーを浴び、痛めた左手にシップを貼って一眠りしてから道の駅しょうなんまで預けた荷物を回収に行った。スタッフの方と多少話をしたのだが、どうやら相当数(3割くらい?)の参加者がDNFしているらしい。昨日の12時を過ぎてから電話が鳴りっぱなしだったとか。僕もその中の一人だったのだろう。また、ツイッター情報によると制限時間まで1時間ない状態でまだ30人くらいしかゴールしていないという。おそらく夜を越えた参加者も、延々平地を猛暑の中走らされて、時間ぎりぎりまで休憩を余儀なく必要とされていると思われた。

スタッフの待機場所は橋の下で、日陰だと風があるので意外と心地いい。コーラなどいただき、来年のリベンジを宣言して帰路についた。

今回の600kmは今まで走った埼玉、宇都宮ほどの難コースではないだろうとたかをくくっていた感があったのだが、どうやら参加者の成績からしてもそんなことはなかったようだ。猛暑というのもあったが、深夜0時スタートでいきなり眠いのがまずかった。まあ、これは前の日休みを取っていたのだから寝なかった自分が一番悪いのだが。

当たり前の話ではあるのだが、教訓として、深夜スタートのブルベにおいては事前に十分寝ておくことを身にしみて感じた。寝ておけば寝ておくだけ、制限時間に余裕が出来るのだ。

それに加えて、PC3〜PC4区間の山越え2連発。今回は、今までよりはだいぶ負荷をかけて(心拍数を上げて)走ることが出来たとは思う。山ではいつも他の参加者に抜かれまくりなのだが、今回は逆に結構な数の参加者を抜いたと思う。一週間前が乗鞍、その前の週も富士山スカイラインを走っていたのでそのおかげだろう。山岳地帯の運動強度的には今までのブルベの中でかなり良くできた方だったと思う。それにしても、やはり暗くなった後の眠気には完全にやられてしまった。

とにかく今回は眠気にいつも以上にやられたブルベだった。SRおよび、3,200km上限の達成は再来週の北海道600kmまで持ち越しになってしまった。逆に、北海道で達成できなければ今まで2年連続で取ったSRは今年は取れないことになる(1000kmは残っているが、エントリしている600kmは北海道で最後)。PBP出場も危なくなるかもしれない。保険のつもりで入れておいたのだが保険が発動してしまったようだ。次回は万全の体制で臨みたい。