akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM918北海道600km恵庭レポート(雨に祟られたけどなんとかSRが取れました)

前回の千葉600kmで居眠り落車し左手親指の靱帯を痛めてしまったのだが、楽しみにしていた北海道遠征であり、また今年はまだBRM600kmを一つも完走してないので、これがSuper Randonneur取得のためのラストチャンスなので、なんとしても参加したかった。ので、包帯を巻いたまま参加を決意。同様に親指の靱帯損傷のまま自転車に乗り続けたnaderamanさんの後押しも効いた。実は出発当日に整形外科に行ってきたのだが、さすがに北海道で自転車に600km程乗ってきますが大丈夫ですかね、などとは言えなかった。前日、添え木を付けたままでもはめられるように、大きめのグローブを急いで買ってきた。北海道の天気予報は雨マークが出ており、またAJ北海道BBSの事前情報によると通過各地の最低気温は10℃を下回っているようで、十分な装備が必要そうだ(というか本当に必要だった)。前後泥よけ(これがあると無いでは下半身の濡れ方が全然違う、雨で付けないのはおろかである)、冬用ウィンドブレークジャケット、レイングローブ、キャップ、上下雨具、レインシューズカバー、防水ソックスなど。

当日になって気づいたのだが、今回はホテルの予約を17日と19日しか入れていないため、荷物をホテルの部屋に置きっぱなしにできない。なので、飛行機輪行の時に使っている輪行袋(OS-500)が使えない。なにしろこの輪行袋は担いで自走するのも困難な大きさと重さなので、スタート地点で預かってもらうというわけにもいかないのだ(そもそもそんなもの預けたら大迷惑だし)。なので、不安が残るもののいつもボトルケージに入れているL-100輪行袋を使うことに。

前泊のため北海道に向かう途中の羽田空港。前回と同じ店でカレーを食う。今回荷物を預けたカウンターの人は当たりだったようで、扱いをどうするかちゃんと聞いてくれた。基本的に立てておいて欲しいが、やむを得ず倒すときはこちら(リアディレイラー側)を上に、と伝えたら、ちゃんと指示を貼っておいてくれた。いつもこうならいいのだが。



新千歳空港の荷物受け取り。自転車が他にも3台積まれていたようだ。OS-500輪行袋が回転台から出てくるのを目撃。他の輪行袋は手持ちで出てきたのだが。見た目が安全っぽいとそういうように扱われてしまうということなのか?


新千歳空港から電車で恵庭駅へ。時間的にはすぐなのだが快速エアポートが混みまくり。そして、やはり自転車の人もいた。恵庭で降りたのでおそらくブルベ参加者と思われる。ホテルにチェックインするときに一人見かけたので、声をかけてみたらやはりそうだった。今回のブルベは東京からの参加者がかなり多いようなので、遭遇確率も高そうだ。ちなみに恵庭駅のコインロッカーは当日しか預かってもらえないようで、やはりOS-500を持って来たらとても困ったことになっていた。

部屋の中に入れた自転車を確認していたら、輪行用のエンド金具が内側に回転して倒れてしまっており、リアディレイラーが直に床に接触して自重を支えてしまっていた。ああもう、なんということだ。実は同じ事が自分で輪行袋を運んでいた時にも何回かあったので必ずしもANAの扱いが悪かったとは言い切れない。Orcaに乗り換えてから、エンドの材質が違うのか何なのか不明だが、エンド金具が妙に倒れやすくなってしまったのだ。これは対策をしないとそのうちいつか痛い目に遭う。

部屋はシングルにしては広かった。窓からの眺めも良い。


駅の周辺をうろうろするが、めぼしい食い物屋は発見出来なかったので、明日の朝飯をコンビニで仕入れ、ホテルのレストランで夕食。カーボローディングということでスパゲティとジンギスカン鉄板焼き、そしてビール。これで2000円弱なのでまあ良心的と言えよう。

前回の千葉600kmでは睡眠不足により酷い目にあったので、その反省を元に20時前にはベッドに入った。21時前には寝ていたと思う。一度0時過ぎに目が覚めたが再度就寝。

午前5時に起床。パソコン見てダラダラしつつ朝飯を食う。左手親指はどうしようか迷ったが、テーピングだけでもそれなりに固定できることが分かったので、テーピングで行くことにする。

日が昇る前は寒かったのだが、日の出後はどんどん気温が上昇している感じだったので、アーム・レッグウォーマーは付けないことにする。結局ウェアは夏と同じ。

自転車を組み立ててホテルをチェックアウトし、さて行くか、と思って走り出したらリアディレイラーがトップに入った位置のまま、うんともすんとも言わない。フロントは動く。うえっやはりディレイラーを壊してしまったか?Di2のディレイラーには強い力がかかったときの安全機構が組み込まれているというのを読んだ記憶があるのでそれか?確かエレクトリックジャンクションのスイッチを5秒以上押すと復帰モードに入る、とマニュアルに書いてあったのを思い出し、押してみると確かにモーターが動いてはいるようなのだが動きは戻らない。


おいおいちょっとまってくれ、ここでいきなりDNSか?とかなり焦りつつ、自転車をとりあえずひっくり返してホイールを外す。ディレイラーが自由に動く状態でもう一度復帰モードを試すが、変わらず。かなり絶望的な気分になって、試しにディレイラーを手でロー側に押してみたところ、カシャッという手応えとともに何かがはまったらしく、シフト操作ができるようになった。はーやれやれ一安心。ちゃんとマニュアルは読んでおくもんだと痛感した。

そんなこともありスタート地点に着いたのは遅めの時間。受付と車検を済ませるが、ブルベカードがまだ到着していないとのこと。

先にブリーフィングが始まる。PC5とPC6のどこかに補給地点を設けるとのこと。この区間は人家も何もない道を真夜中に数十キロ走らされるようだ。

去年、長万部400kmで名刺をいただいた北海道のyyyさんに「ああ、ふくろけんおおつかの」と認識された。手を怪我した記事を読んでいただいていたらしい。Orcaに貼ったステッカーが認識されたのかな?ちなみに、袋研は池袋研究所の略なので「ぶくろけん」です、読みにくくてすいません。

また、twitterでフォローしてもらってるj_tradさんにも声をかけて頂いた。予想外に経験豊富な感じの方であった。

ちなみにyyyさんのTREKは、変形断面のカーボンシートマストに金具を巻いてリア台座を固定していた。荷物の重さはハブ軸に固定してあるステーで支えるのでこれでも大丈夫なのだろう。今年のBRM1200kmもこれで走り抜いたそうだ。

ブリーフィングの途中でブルベカードも無事到着。スタート時間の8:00になり順次スタート。

PC1までは大きな上り下りはなく、最初の長い直線区間以降は追い風+下り基調+列車効果?で35km/h巡航。40km/hを超えることもしばしば。最初からこんなに飛ばしたらまずいなあ、と思いつつつい調子に乗ってしまう。左手の方は、ブラケットを握らず添える程度にしておけば特に問題ないようだ。ただし、後輪ブレーキはほぼ使えないと考えた方がいい。

結局、PC1セイコーマート追分までの30kmの短い区間でサイコンによると移動時平均速度が28.5km/hという(自分的には)驚異のペースになった。時刻は9:10。まだ30kmしか走っていないので、補給はゼリーとドリンクだけにしておく。休憩もそこそこに出発。

PC2までの間にはトンネルを抜ける150m位の峠があるが、登りもまだ足がフレッシュなので20km/h弱を維持して登ることが出来た。

鵡川を渡る穂別橋を渡ったらPC2セイコーマート穂別。到着時刻は11:10で、2時間半の貯金が出来た。ドリンク補給とコーラ、小豆入りアイス最中、そしておにぎり。セイコーマートのおにぎりは店舗で作っているのか、出来たて風味で暖かくおいしい。余裕があったので30分近く長居してしまった。

しばらく鵡川沿いを走り、右折して穂別町平取町の境まで登り。

はえも止まるスピード…というわけでもなかったはずなのだが、気がつくとトップチューブにトンボが止まって一緒に走っていた。

一度下り、沙流川沿いに緩い登りが延々と続く。時々橋を渡る。

PC3セイコーマート日高着は13:47。貯金は3時間、いいペースだ。


ここのセイコーマートは建物の横に屋根付きのテーブルスペースがあり、休憩が出来るようになっている。スバラシイ。しかも、コンビニのトイレなのにやたら広く、男子用便器が5つくらい並んでいた。スバラシイ。ドリンク補給とコーラ、ゼリー、そしてパインシャーベット。20分で出発。

次はいきなり日高峠への登りから始まる。斜度は5〜6%程度なのだが、130kmくらいをいいペースで走ってきたのでそれなりに堪える。約4kmを10km/hで登った。峠の向こうは占冠村。

下りをあっという間に終え、石勝線の線路に沿って長く緩い登りになる。直線区間が長いので、延々先まで単調に登っているのが見えてしまい、精神的にかなりダメージを食らう。途中でだるくなって休憩。トンネルをいくつかくぐる。この路線もいつか乗ってみたい。途中から隣に道東自動車道が並走する。上トマムの交差点に商店があったので休憩することにする。ドリンクと、補給食が昨日買ったドーナツだけで不安だったのでようかんを買った。

例によって、店の人や来ていたお客さんに「どこから来たの?」と聞かれ驚かれる。また、だいぶ気温が下がってきたのでアームウォーマーを装着。空模様もだいぶ怪しくなってきている。

すぐそばの公衆トイレまで移動する間に、足も寒い事に気づいたのでレッグウォーマーも装着した。トイレにはスタッフの方がいて、参加者の状況などを聞いていた。

南富良野町に入って下り、国道38号からは狩勝峠まで再度登り。斜度は3%程度。辺りは暗くなり、気温は低下、そして峠に着く手前あたりからついに雨が降ってきた。峠にはドライブインがありまだ営業しているようだったが、時間がもったいないのでウィンドブレーカーだけ着てすぐ下りに入る。

この時点ではまだ小雨程度だったので、たかをくくっていたのだが、下りで雨がどんどん激しくなり、このままではウェアが濡れて取り返しが付かなくなると思い途中で停車。レインジャケットとレイングローブ、シューズカバーを装着した。雨でかつ左手がしっかり握れない状態なので、自重してあまりスピードを出さずに下る。また、雨のせいでサングラスをかけていると視界が不明瞭になり危険なのでサングラスは外して荷物に入れてしまった。

PC4屈足には18:54着。登りがあった割には貯金は4時間近くになった。しかし雨のせいで精神的にはだいぶ辛くなっている。ドリンク補給と、寒さに負けてカップラーメン(蕎麦だが)、そしてセイコーマートのおにぎりうまい。


それと、ヘッドライトの明るさが心許なくなってきたので単4電池を購入。疲れてたのと時間に余裕があったので30分ほど休憩の後、出発。雨は降ったりやんだりといった感じになっている。

PC5までは緩やかな下り基調なのでペースを上げる。最初は30km/h出ていたのだが段々疲れて25km/h以下まで低下。また雨も再び本降りになってしまい、シューズカバーと泥よけは付けていたものの、どうしても水がシューズの中に浸入してきてしまい、靴下が濡れてぐちょぐちょになってしまった。暗く単調でまっすぐな平地なので退屈、しかも雨。ダメージが蓄積する。まだ時間が早いのに眠気もちらほら出てきた。

PC5、池田町のローソン到着は22:16。貯金はさすがに平地だったので4時間半まで伸びた。

コンビニに入ろうとして、モンベルのヘッドポーチに入れてある財布を出したらぐっしょり濡れてしまっていた。どうやら、完全防水では無かったようだ。中の紙幣が濡れてしまっていて、使うのが憚られたが、仕方がない。
寒いのでとにかく暖かいものと塩分が欲しいのだが、腹にたまってしまうと眠気を助長するので、カップ味噌汁にした。カップ味噌汁はブルベの友。あとはドリンクとゼリー、眠気覚ましのメガシャキと暖かい缶コーヒー。

携帯でこの地域の天気予報を見ると、雨は明日の朝まで降り続けるらしい。かなり心を折られた。

靴下が濡れてしまったので、Wiggleで買った防水ソックスを初実戦投入してみることにする。足をタオルで拭き、防水ソックスをはいてシューズを履いたら、アラ快適。確かに水は浸入してこないので、足が冷たくならない。これであと300km戦える!

さらに、レーパンが完全に濡れてしまう前にレインパンツも装着。

ここではだいぶウダウダしてしまい、結局40分以上滞在して出発したのは23時過ぎになってしまった。

次の区間は、80kmの長距離に細かいアップダウンが多数存在し、また民家などが全くない山道の「ナウマン国道」を通ることになる。それに加えて深夜、雨。今回の暗夜行路区間が予想される。どこかに補給ポイントでスタッフが待っている、という言葉を信じて出発。

予想通り、途中から眠気が襲ってきた。車が少ないからいいものの、走行車線がふらつくことがしばしば。あくびも連発。雨が降っていなければ路肩に腰を下ろして休むのだが、せめて屋根のあるところで休みたい。屋根〜屋根〜どこかに屋根はないか〜と探すのだが山道にはそのようなポイントは全然無い。とはいえ、この無人区間で雨の中、前回のような落車をやったら最悪なので、仕方なく自転車に跨がって立ったまま雨に打たれ、しばし停止して意識を失う(失ったような気がする)。また、橋の下に降りる階段に屋根が付いているところがあり、そこで10分ほど座り込んで休憩した。その間に何台かに抜かれた。

半分を過ぎてもまだ補給ポイントのようなものは見つからず。そういえば、諸般の事情でポイントを設置できない事もある、とブリーフィングでは言っていた。雨が降ってしまったので設置されていないのだろうか…と思いつつ区間距離50kmを過ぎたあたりでそれっぽいテントがあるのを発見。招かれてはいると中には暖房と暖かいビーフシチュー、紅茶、そしてパンが用意されていた。ありがてえありがてえ。

ビーフシチューはおかわりまで頂き、「外に出たくなーい」という心の声を押さえつけ、お礼を言って15分ほどで出発。時刻は深夜2:30。PCまで残り27km。

相変わらず続くアップダウンをだるくこなし、PC6 大樹町のセブンイレブンには4:10着。

休憩しながらの区間だったので貯金は減少したが、それでも4時間はある。大樹でみんな仮眠を取っている、という話をさっきの補給ポイントで聞いたので大集団がいると思ったのだが、他の参加者は一人しかいなかった。話を聞いてみると、ちょっと進んだところに道の駅があるのでそっちで休んでいるのだという。その情報がなかったらかなり困ったところだ。事前の調査が不十分だったかなあ。

ドリンクはボトル半分程度しか減っていなかったので追加せず、ゼリーとおにぎり、ホットレモンと、未だ降り止まない雨に対処するためタオルを買った。

コースを進行方向にしばらく行くと、確かに道の駅があり、自転車が見えた。入ってみると、皆さん自転車を屋内に持ち込んで、防災シートにくるまって寝ているいつもの光景。これはたしかにありがたい。おそらく混雑はしているがあそこなら入れないということはないだろう、というスタッフの言葉通りだった。



ロビーのような場所と、ドアで区切られた部屋があり、部屋の中に入るとムッとする汗のにおいが襲ってきた。まあ、そりゃそうだよな。部屋の中には一段上がったところに畳のスペースがあり、運良くそこで寝ていた人がちょうど出発したばかりのようだったので、これ幸いと場所を確保。本当運が良かった。僕も防災シートで床の上に寝っ転がることを覚悟していたのだが、なんと畳の上で仮眠を取る事が出来た。ウェアが濡れたままで気持ち悪いが贅沢は言ってられない。なんだかんだやっていて、眠りについたのは5時前頃になってしまっていた気がする。

ふと気がつくと5時40分頃だった気がする。1時間弱は眠れたようだ。貯金を考えればもうちょっと休んでいても良さそうだったが、他の参加者の人はもうほとんど出て行ってしまったか、出発の準備を終えているような状態だったので、なんとなく焦ってしまい仮眠はこれで終わりにすることにした。

外を見ると、予報通りまだ雨は降っている。かなり鬱だ。とりあえず、ここで出し惜しみしても仕方がないと覚悟を決め、持って来た装備を全部使って着替える事にする。半袖ジャージとアームウォーマーは脱いで、アンダーウェアをCRAFTの暖かいやつに着替え。その上にウィンドブレークジャケット。防水ソックスはまだ大丈夫。ヘッドバンドは外し、レインキャップをかぶる。レイングローブもぐちょぐちょになってしまっているが(ゴアテックスなのに!)、これは指切りグローブに替えても寒いだけなので諦める。むしろここでもう1個のグローブをぬらしてしまうと致命的だ。

この時点で、今回持って来たウェア装備は全部使ってしまったことになる。これ以上雨が酷くならないことを祈るのみ。

さらに、テーピングがぼろぼろだったのでまき直し、またコンタクトレンズも交換。

6:28に道の駅を出発。

次は今回最大の山岳区間(といっても、宇都宮や埼玉のようなものではないが)、野塚トンネル越え。39kmかけて500mほど上昇する。最後の方はそれなりの斜度だが、最初の方は緩い登りが延々と続きとにかくだるい。平地区間では28km/hくらいで頑張っていたのだが登りに入った途端20km/h以下に低下。ただ、雨は段々弱くなってきているようだ。山の方を見上げるとかなりガスっている。

途中二度ほど、急激な空腹を感じて補給食を取った。ドーナツの残りと昨日買ったようかんしかなかったのだが、それらを全部食い尽くした。かなり危ないところだったと思う。もう少し登りが長かったら途中で力尽きたかもしれない。


トンネル直前の数キロで傾斜がきつくなる。標識には確か6%と書いてあったと思うが、さすがに夜を徹して400km近く走った後なのでそれでも辛い。よろよろと10km/h以下で走り、なんとかトンネルに到着。トンネルは全長が4km以上あり、ほぼ平坦。途中から微妙に下りに変わるので軽く回して出口。

トンネルの出口に休憩できる場所があると聞いており、何人か止まっていたようだが、あとは下るだけなのでスルーしてそのまま下りに入る。なにか声をかけられたような気がしたので、ひょっとしたらシークレットPCでもあるのかと不安になったのだが、そういうことは無かったようだ。

雨はほぼ止んだ状態だが、やはり自重してあまりスピードは出さずに(といっても50km/h近く出ていたが)下っていたら、yyyさんに抜かれた。

下るにつれて斜度はどんどん緩くなり、足を回さないと進まなくなってくる。時折空腹感を感じるようになっており、焦る。ハンガーノックになる前に早くコンビニに着いてくれ…

PC7のセイコーマートには10:00直前に到着。カロリー切れにはなんとか間に合った。時間の方の貯金は3時間。減少したとはいえ、道の駅で2時間休憩したことを考えれば御の字だろう。

空腹感に負けて、多少多いかなと思ったがいろいろ買ってしまった。カップ味噌汁、おにぎり、焼きうどん、コーラ、ヨーグルト、そしてドリンク。ハンガーノック直前だったのでうまい。これで山場は超えたという安心感もある。

多少迷ったのだが、j_tradさんの「進むにつれて天気は良くなるみたいですよ」という言葉を聞いて、雨具は全部脱いでコンビニのレジ袋に入れた。そのままダイナパックに入れてしまうと他のものに湿気が移ってしまうので、ダイナパックとレインカバーの間に挟み込むことにした。この技は雨が降ってないときでも積載荷物量を増やすのに使えそうだ。
雨は止んだようで、路面の水たまりもほぼ消えている。

安心感からか、1時間くらい長居したあと出発。次は、海沿いを延々95km走る区間。しかも、海沿い特有の微妙なアップダウンが無数に存在する。普通の町中を通ったり、また交通量も多く、あまり走りやすい道ではない。眠気もまだ時々出てくるので、危険であまりスピードが出せない(足が売り切れ気味というのもあるが)。さらに、どうも向かい風になってしまっているようだ。結果としてしょっちゅう停車して休むことに。

14:00頃、暑くてたまらんのでコンビニで休憩。アイスとドリンクを補給。スポーツドリンクに飽きてきたので、クラッシュアイスとファンタオレンジを投入。店員の人に行き先を聞かれたが、北海道の土地勘がないのでうまく答えられず、キューシートを見せたら「へー全部決まってるんだー」と驚いていた。

休憩後もペースは上がらず、20km/h近辺でダラダラと進む。ただ、j_tradさんの情報の通り、進めば進むほど雲量は減って青空が見えてくる。最後の方の区間は標高70m位の高台に登って降りるのくりかえしで、いい眺望が見られた。また、最後の高台ではいかにも北海道といった風情の牧場や建物、畑などが多く見られた。しかし向かい風は最後まで変わらず、むしろどんどん強くなる傾向だった。




16:33にやっとPC8 鵡川セブンイレブンに到着。貯金は3時間弱。ファンタオレンジを追加。あと、ちょっと趣向を変えて寿司とサンドイッチ。補給食としてあんもっちというのを買ってみた(これが結構うまかった。定番商品にしてほしい)。あとはもう、大きなトラブルがなければ完走は大丈夫だろう。17:00に出発。

終わりが見えてきて余裕が出来たので、ペースを多少上げて進む。いい感じで足がくるくる回る。j_tradさんとほぼ同時に出たのだが、気がついたらだいぶ先行していたようだ。途中で日が暮れたのでライト点灯。

最後のPC9、追分セイコーマートには18:58着。

補給食もあるし、特に空腹も感じていなかったので、眠気を呼ばないようにゼリーと缶コーヒーだけ。yyyさんの集団が、「つらいから21:30目標でー」と言いながら出発していった。最後の30kmなので頑張って飛ばすか、と思い、前の集団に追いつくつもりで19:20位に出発。

割といい調子で飛ばしたと思うのだが、全然前の集団が見えてこない。行きと同じコースなのでコース間違いということはあり得ない。おかしいなあと思いつつ進む。途中、国道337号を渡った直後の農道?区間に入ったらいきなり気温が下がってビックリする。

後半は、実はゆるやかな登りになっておりスピードが出なくておかしいなあと思う、ということを前のPCでyyyさんに聞いていたのだが、確かにその通りだった。25km/hが出ない。まあ、もう急ぐこともないのだが。

そして、20:35ごろゴール。


どうやら前の集団は、合意事項とは裏腹に随分と飛ばして来たらしい。集団ゴールの後だったのでしばし受付待ち。ここまで来てレシート足りなかったらどうしよう、というような事をいつも考えるのだがさすがに大丈夫だった。しばし遅れてj_tradさんもゴール。

結果的に、制限時間からの余裕は3時間以上残すことが出来た。雨に降られたとはいえ、大きな山岳が無いのでこのタイムでゴールできたのだろう。やはり登りが苦手ということだなあ。

預かり荷物を回収し、お礼を言ってホテルへ。ちょうど、同泊の参加者の方がチェックインしているところだった。お疲れ様でした、と挨拶してこちらもチェックイン。電話では0時近くになってしまうと言ったが、結果的にはかなり早く着くことが出来た。

十分補給していたのであまり腹は減っていなかったのだが、気分的にご褒美の油ものが食いたいのでコンビニに行こうとしたのだが、さすがに着替えて風呂に入りたかったのでそちらを優先。そしてうっかりベッドに横になってしまいそのまま朝まで寝落ちしていた。窓の外を見るとちょうど日が昇るところだった。

駅の反対側のコンビニまで歩いて行ってご褒美のザンギと焼きそばを朝飯に食う。

唐突に、前回会社の用事で北海道に来たときに食べた鮭のちゃんちゃん焼きを思い出し、妙に食いたくなる。ネットで調べると、新千歳空港で食える店があるようなので、早めに空港に行って食べることにする。

空港で自転車とリュックを預け、望み通りちゃんちゃん焼きを食って帰京。帰りの自転車の扱いだが、立てて運んでくれという指示は確かに守られていたのだが、向きが90度回転して、ハンドルとサドルが下に来ていた…。この向きならまだまあいいのだが、チェーンリングを下にされたらかなりやばいところだった。やはり、飛行機に乗せるのなら、回転台で出てくるとしてもOS-500輪行袋の方が安心出来るようだ。

これで今年も無事Super Randonneurを取る事ができて一安心。また、PBPに向けてとりあえず一里塚を一つ超えた事になる。

左手の怪我についてだが、途中から痛みが微妙に軽くなってきて、これは何か脳内麻薬の仕業かと思ったのだが、ブルベが終わっても変わらないので、一応回復はしてきているようだ。ただしまだ曲げ方によっては痛いし、そもそもブラケットを握れない状態だとどうしても体の姿勢やペダリングが左右非対称になってしまいよくない。今回は無理して走りきってしまったが、1000kmについてはもっと回復しないとまずいと思う。また、素人が適当にテーピングしたせいで、親指の爪が常に引っ張られるようになってしまい、そのせいで爪が痛むようになってしまった。

とりあえず次週の宇都宮400kmは、どうやらAJ宇都宮史上でも1,2を争う難コースになるとのことで(しかもまたもや深夜スタート)、正直参加は難しいのではないか、などと考えている。

余談: 今回も走行中の脳内BGMはずっと初音ミクメドレーだった。特に、スタートからPC1とPC9からゴールの区間は「ロミオとシンデレラ」で快調に飛ばすことが出来た。歌詞を覚えているわけではないのでうっかり歌い出す心配もない。