akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM925宇都宮400km奥只見レポート(PC3〜ゴール)

(スタート〜PC3 から続く…)

ここから先は、11月になってからの記憶を元に書いているのでかなり怪しい。

PC3湯之谷〜PC4只見

しばらく緩やかな上りが続く。道はPCを出てしばらくすると田畑の中を走る農道になった。気温は高めでひたすら平和なので必然的に眠くなるのだが、致命的なほどではなかった。どこか東屋っぽいところがあったら強引にでも休むつもりだったのだが、残念ながらそういう所はなかった。

スノーシェッドの中を登ってちょっとした峠を超えたら道の駅があった。

ここから先は完全に山道になり、登り基調の上に細かいアップダウンが繰り返されるようになった。疲れる割になかなか標高が上がらない。

途中トイレ休憩。参加者の先客がいて個室に入っておられた。この辺は何もないので催してしまったらさぞかし大変だったろう。

日は大分傾いてきている。

スノーシェッドが連続するあたりになると道はつづら折りになり、傾斜も厳しくなる。標高差250mを3.5kmで登り、平均で7%だ。

最後のスノーシェッドを抜けると、トンネルまでの区間はまだ工事中だった。誘導に従い走行。

ちょうど日が沈むあたりだった。

そして福島県境の六十里越トンネル。

トンネルを行ったん出るが、すぐにまたスノーシェッドの連続。トンネルの向こうに比べて雲が多いようだ。下には田子倉湖が見えてなかなかの絶景なのだが、下りの途中でうかつにシャッターが切れない。

しばらくは緩やかな下りだったのだが、途中から一気に勾配が急になった。本格的な下りに入る前にウィンドブレーカーを来て、補給食のあんパンを腹に入れた。

日は山の向こうに沈んでしまったようだ。

まだ明るいのでしばらくは下りもフルスピードで行けるだろうけど、誰かが「六十里越は明るいうちに超えたい」と言っていたのがよく分かった。照明のないトンネルやスノーシェッドばかりで、しかもガードレールのない下りワインディングロードでは怖くてまともに下れない。

一応このようなコンクリートブロック?はあるのだが、これでは四輪車は止められても自転車はコンクリートの間を抜けたらそのまま崖下に転落である。恐ろしい…

走りながらだと怖いので停まって撮影。山陰になっていない方はまだ日が当たっているようだ。

田子倉駅(冬期は豪雪のため閉鎖されるらしい)のあたりに一度上り返しがあり、その後は只見湖まで急な下り。只見湖をすぐ右に見ながらしばらく走り町中を抜けると、PC4 只見ショッピングセンター。既にほぼ真っ暗だった。時刻は18時前、貯金は約2時間。

ここは普段のコンビニPCと違っていわゆるスーパーマーケットなので、少々勝手が違う。すぐ食える食い物はパンとか揚げ物総菜くらいしかないようだ。油ものはまだやばいので肉まんを自分で電子レンジで温めて食う。また今回は冬用グローブを持って来ていなかったので、寒さに備え試走レポートにあったように軍手を買ってみる。あとドリンク補給。

18:35頃出発。

PC4只見〜PC5田島

走り始めた直後、何かの死体を踏みそうになって焦った気がする。

駒止トンネルへの登りに入るまではほぼ平地(やや登り気味)なのだが、ここにきてついに今まで姿を見せなかった睡魔が牙をむいてきた。周囲は真っ暗で何の明かりもないのがきつい。プチ気絶を何回かした。

このまま峠を越えるまで補給ポイントが無かったらまずい、と思っていたらヤマザキショップがあったので駆け込む。ありがたい。後から2人組の参加者もやってきた。やはり眠気に大分参っているようだ。

寒かったので温かいお茶と、眠眠打破を買っておく。

ベンチがあったので一応横になってみたのだが、まだ時間的に(20時前だ)眠れる時刻ではなかった。走ってる最中は眠くなるのに、つくづく不便な体だ。

トイレがないか聞いてみたのだが、無いけどこの先田島の方にいくんでしょ、トンネルくぐった先に温泉があるからそこの駐車場にあるよ、という情報を店のおばちゃんから入手した。20分程のタイムロスで出発。

GPSルートによると確かにこの先左折になってる。トンネルをくぐると温泉というか道の駅っぽい施設があった。うーん、この場所は見覚えがあるなあ、と思ったら案の定2009年のBRM516宇都宮400kmで休憩していた。御池で折り返しだったときのコースだ。

駐車場に確かにトイレがあった。しかも、すごく立派だ。明かりは消えていたのだがドアをくぐったら勝手に点いた。そしてきれい。


中はこのようになっており、時刻が時刻ならここで快適に安眠できそうな勢いだ。スバラシイ。宇都宮ブルベの時はこの場所を覚えておくことにしよう。今回はどうせまだ眠れないことと、この先峠越えが控えている割には時間の余裕が心許ないので仕方なく豪華トイレを後にする。

この先8km弱、平均5%程度の登りが続く。眠いのと、300km以上走った脚ではさすがに厳しい。が、カロリーは十分取っているはずなのでガシガシと気合いを入れて踏み込む。それなりに速度も出ていたようだ。途中、かなりへばり気味の参加者の方を抜いたとき、「あと何キロくらいですかあ」と聞かれて、「2kmくらいのようです」と答えて大分相手を絶望させてしまったのだが、実は残りは1km位だったようだ。悪いことをしてしまった。

そして駒止トンネル。この飛び込むような景色もやはり見覚えがある。

下りはあまり厳しいコーナーもなく、40km/h以上で駆け下りる。PC5 セブンイレブン会津田島新町店には21:30前に到着。貯金は変わらず2時間。ここまでで330km。

寒かったので暖かいものが欲しかったのだが、カロリーを入れすぎると眠気が増大することを恐れて、味噌汁とおでん。

22:00に出発。

PC5〜ゴール(最後は歌に救われた)

PCを出発して20分位で、いきなり強烈に眠くなってしまった。15km/hでフラフラ走っていても効率が悪いので、橋のたもとで路肩に座ってうずくまる。多少は気を失えたようだが、眠気は収まらない。途中何人かに抜かれた。

20分程度で諦めて再出発。残りの距離と貯金時間を考えると、これは厳しいのではないかという気がしてきた。この先にPC1で立ち寄ったココストアがあるはずなので、そこの机で中休止を取ろう、と計画する。

その後も登りと眠気のせいで速度は15km/h程度。斜度がきつくなるあたりで、目当てのココストアに到着。時刻は23時過ぎ。暖かい……

早速暖かい飲み物を買って休憩室で机に突っ伏してみる。しかし、ああ悲しいことにこの時間帯ではまだ体が言うことを聞かずに眠れない。気温は申し分ないが、やはり体勢と明かりの問題なのか。次のブルベにはアイマスクでも持ってくか?

結局、やはり10分位しか気を失えなかった気がする。時間を考えるとあまり長居は出来ないのだが、この先の山王トンネルを越えればあとは下り基調だし、なんとかなるか、と甘く考えていた。40分ほどのロスで出発。残り63km、時間は4時間50分。

ちょうど日付が変わったあたりで山王トンネルを越える。

そして下り。最初の数キロはほとんどまっすぐで傾斜も急なので問題なくスピードに乗って下れたのだが、傾斜が緩くなると急速に速度が低下。ペダルを回さないと全然進まなくなる。そしてまた、睡魔が執拗に襲ってくる。

このあたりは往路もそうだったが真っ暗で周囲に何もない。何度かプチ失神して、落車の危険を感じ停車。さっき買っておいた眠眠打破をドーピングしてみるのだが、効かない。今回は4:30がクローズという設定なので、そもそも仮眠を取るのが難しいのだ。

眠れそうな休憩ポイントはどこにもないし眠るだけの時間的余裕もない。そもそも寒すぎて死にそう。かといってこのまま10〜15km/hでダラダラ走り続けても制限時間には厳しいし、落車の危険がある。ううううう八方塞がりだ、どうしよう……

と困ったのだが、以前ツイッターで「ランドヌールは眠くてしょうがないときは歌を唄うのだ。気がつくと後ろに人が付いていたりして恥ずかしい」という話([twitter:@pikasyacho]さんだったか?)を見たような記憶がよみがえり、背に腹は代えられないと覚悟を決め、とりあえず初音ミクメドレーから大声で歌い始める。歌詞は覚えてないところが多いので適当に誤魔化しながら。どうせこんな山の中では誰も聞いてはいないのだ。「わたしのこーいーをーひげきのじゅーりえっとーにしーなーいでーこーこーからぬけだしてーそんなきぶんよ」うわはずかし。

すると、気恥ずかしさも手伝ってか、確かに失神しないで走れるようになってきた!なんとかなるかもしれないと思い、記憶にある限りの歌を片っ端から唄いまくり。山道の暗黒区間を抜け、五十里湖、鬼怒川、日光、そして宇都宮へ。明かりが戻ってくるとやはり歌声も小さくなる(笑) 幸いにも?他の参加者に会うことは無かった。

気温は時間とともにどんどん下がっていく。標高も下がっているはずなのだが、ほとんどその恩恵は感じられなかった。

そして、2:40過ぎにフィニッシュ。今回は距離の都合で森林公園ではなくユースホステルのコテージ。

とにかく寒い。気温は一桁台前半だったのではないだろうか?コテージに入ると既にゴールした人がマグロ状態だった。(この中にnaderamanさんもいた模様)

ブルベカードとレシートを提出し手続き完了。カップラーメンなどを頂く。

あと結局PC3で買ったおにぎりがそのままだったので食す。

最初は、すぐにホテルに帰って風呂に入るつもりだったのだが、宇都宮駅前のホテルまでは20km程あり、今の状態ではまともに帰り着けないと思ったので、とりあえずコテージで仮眠させていただく事にした(寒すぎて外に出たくない、というのも正直あった)。適当に場所を見つけて横になる。さすがに快適な気温と畳、そして明け方前の強烈な眠気で意識はすぐに飛んだ。

90分弱寝て、5時前に目が覚めた。人数は減っていたがまだ寝ている人多数。しかしちょうどこのあたりで撤収する予定だったようで、5時に皆さんたたき起こされていた。

荷物をまとめ、スタッフにお礼を言って解散。今年の宇都宮ブルベはこれが最後なので、「また来年もよろしくお願いします」が挨拶だった。

外は相変わらず寒かったが明るくなってきていた。鞍掛トンネルを登ってあとは宇都宮駅まで下り。

ホテルに戻ってシャワーを浴びたら7時前になってしまっていたが、ホテルが11時チェックアウトなので3時間は眠れるだろうと思い、ベッドに入って寝。

90分くらいで目が覚め、ホテルを11時直前にチェックアウト、駅前で餃子を食って新幹線で帰宅。



まとめなど

来年以降、このコースでブルベをするかどうかは全くの白紙とのこと(少なくとも2011年は無い)なので、ある意味「伝説」となるであろうこのブルベを選ばれた(?)ランドヌールとともに走り切れたことは本当に良かったと思う。ただ、問題の樹海ラインについては、走る時間が昼間で天候が大きく崩れていなければ、そんなに怖いところではないのではないか、と思った。メカトラブル等があったら途方に暮れるという意味では、この区間に限らずブルベではいくらでもエスケープ不可能な無補給区間はあるわけで。

六十里越を暗くなってから超えた人もいたようで、アレは確かに暗くなったら怖い。実際怖かったらしい。一部舗装が切れていたところでパンク修理をしていた人もいたようだ。

今回は結局24近く時間経過するまで眠気が来なかったわけだが、スタート直後から居眠り落車したBRM904千葉600kmとは何が違うのだろうかと考えると、やはり、1時間でも2時間でも、直前に仮眠を取ることが必要不可欠、ということなのか。(千葉600kmの時は結局ダラダラしててほとんど寝ていない)

自宅から直接スタート地点、だと、直前まで準備に費やしてしまう気があるので、たとえ直行が可能だとしても、一度ホテルにチェックインして寝る、というのも有効な手かもしれない。金はさらにかかってしまうけど…

歌で眠気がごまかされる、というのは初めての経験だった。今まで脳内でループはしてたけど、やはり口に出してみると違うようだ。ガムとかも同じ理屈で有効なのかもしれない。しかし周囲1km位に民家が無いところでないと難しい…(初音ミクとか特に)