akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM925宇都宮400km奥只見レポート(スタート〜PC3)

BRM1008中部1000kmレポートと順番が逆になってしまったが、下書き途中で止まっていたBRM925宇都宮400km奥只見のレポート。

BRM1008よりさらに昔の事で、しかも1000kmでいろいろな事がありすぎたのでもはや記憶が曖昧なのだが、書きかけで死蔵するのもモッタイナイのでとりあえず上げてしまうことにした。

今回のコース

前の週の北海道600kmレポートの最後では「参加は難しいかも」などと書いたが、左手の怪我も順調に回復してしまい、どうしようかと迷っていた。

スタートまで

BRM直前恒例の「AJ宇都宮ニュースレター」には、「コースが厳しすぎるので一回は開催を見送った経緯がある。今回も定員を設けざるを得なかった。初心者がエントリするのではないかと不安だったが、経験者が大半で安心した」というような、恐ろしいような事が書いてあって、ここまで書かれてしまうとDNSできない気分に逆に追い込まれてしまった。いまさら「すいません走りきる自信がないのでやめます」とは言いづらい。しかも、30名の定員にあふれてしまった人がいるであろう事を考えると、やはりDNSは良心が咎める。(賛否両論あるだろうが)

しかし、ニュースレターには試走報告もあり、百戦錬磨のAJ宇都宮スタッフが「AJ宇都宮史上1、2を争う難コースでした」などと書いている。まじですか。そして天気予報には雨が……。うーん、左手が完調でない状態で、しかも2週間後に1000kmが控えている状態で参加すべきかどうか迷う。なんとなく、北海道600kmの疲れも抜けきっていないような気がする。しかし、御池までは以前の宇都宮400kmで行ったことあるし、最悪そこで引き返せば下りだけで明るいうちに(コースを逆走して)只見までは行けるだろう、と考えることにして「とりあえず」出走はすることにした。

今回は深夜(1:30)スタートなので、同じく深夜スタートでDNFだった千葉600kmの教訓に基づき、前日たっぷり睡眠を取るために15:00頃には宇都宮入りしておくつもりだったのだが、北海道600kmのレポートをまとめていたらいつの間にか夕方近くになってしまっていて焦った。これでは前々回の二の舞だ…

結局輪行し新幹線に飛び乗って宇都宮駅に着いたのは17:30過ぎ。


毎度おなじみ宇都宮駅。同じ写真の使い回しではありません。

ホテルにチェックインし、カロリー摂取のためコンビニとマクドナルドで大量に飯を買う。(さすがに食いすぎた気もする…)

飯をかっこみシャワーを浴びベッドに潜ったのは19:30位。22:30には起きて準備を始めるつもりだったので結局眠れるのは3時間程度となってしまった。不安だが仕方ない。千葉600kmの時のように、PC1までの区間で眠気が酷いようなら早々にDNFするしかない、と思って寝ることに専念する。

実質眠れたのは2時間ちょっとだったような気がする。さっき買ったメガシャキを飲んで着替えて、クリームパンを背中に突っ込んでスタート地点の森林公園へ出撃。多少肌寒い程度だったのでアームウォーマーもレッグウォーマーも付けず。

集合時間には少々遅れ気味で到着。天気は一応曇りっぽい。受付の時に小耳に挟んだ話では、どうやらかなりの数のDNSがあるとのこと。土曜深夜スタートだと、やはり仕事がどうしても長引いてしまったとか抜けられないという人が多いそうだ。休暇を取れる人ばかりではないのだから仕方ないといえば仕方ないのだが。停まってるとさすがに寒くなってきて、また他の参加者の方もほとんどウォーマーを付けていたので、つられてアームウォーマーとレッグウォーマーを装着。

[twitter:@naderaman]さんとおぼしき方を見かけたので声をかけたら、やはりその人であった。靱帯損傷の話など多少させていただいた。とりあえず、今回のブルベの目的の一つを達成した(笑) いつものへばなさんのママチャリも見かけた。

元々人数限定なのに加えDNSが多いということで、最近のブルベでは珍しいくらい参加者が少なくてこじんまりとしたブリーフィングであった。時間になりスタート。いつものように鶴CCの坂を登って降りる。

森林公園スタート〜PC1会津高原

坂を下ってしばらく行った信号待ちで、後ろから「kamanoさんですか?」と声をかけられる。聞くと、ツイッターでフォローしている[twitter:@eijitom]さんとのこと。Orcaで認識されたようだ。このときはご挨拶だけで信号が青になったのであまり話せなかった。茨城発200kmと403の300kmのときに見かけた反射シールつきプロテクターで走る方(いまだにお名前を聞けていない)も同じ集団。

スタート直後の脚なので、それなりに速い集団にもついて行けるが、信号で徐々に分断。そのうちぽつぽつと冷たいものが降ってきた。鞍掛トンネルを越え、日光宇都宮道路をくぐって鬼怒川へ。川治温泉からの本格クライムで置いていかれてしまった感じ。確か前回同じ場所を走った400kmのときもそんな感じだったような…

五十里湖のトンネルで停まっているnaderamanさんの横を通過。雨具の装備か?しかし所詮脚の違いで、すぐ追い抜かれてしまう。でもしばらくは後ろに張り付かせていただいた。

山王トンネルへの何もない緩やかな上り(この区間は本当に真っ暗だった)を登りながら、自分も雨具をどうするか迷っていたが、後ろに付いている人がいて、見栄効果でいい感じに走れていたのでタイミングを逸してしまった。

しかし雨脚が段々強くなり、トンネル直前に駐車場があったのでそこで着ることにする。とりあえずレインコートとレインキャップを装着。レインキャップは前回北海道600kmで初めて導入したのだが、防寒防水もさることながら、透明なつばで雨風をよけることが出来るので便利。走り始めたものの、やはりレインパンツも着た方が良さそうな感じだったので、山王トンネル入り口でシューズカバーと併せて装着。

トンネル抜けてしばらく下るとPC1、ココストア会津田島高原店。5:14着で貯金は1時間20分位。

ここのPCは机いす流しがある休憩スペースがあって非常にありがたい。スタッフのS藤さんがレシートチェックをしていた。ブルベカードで名前が認識されたのか、北海道600kmの話などをさせていただいた。ブログを読んでくださってるのかしら?

早速眠気にやられて突っ伏している人もいるが、ここまで寒さが幸いしてか、眠気は特に感じられなかった。一応ブラックコーヒーを飲む。暖かいものが欲しかったので天ぷら蕎麦とおにぎり2つ、うち1つは補給食としてジャージのポケットへ。

出発する頃にはだいぶ外が明るくなっていた。雨の降る中出発。

PC1会津高原〜PC2御池

一回200m程下り、中山トンネルまで300m登る。

超えるとまた下って内山橋。雨は上がっているが油断はできない。


このT字路は見覚えがある、いつか宇都宮ブルベで走った道。左折すると女性の参加者の方が雨具を脱いでいたのだが、僕はまだ雨は終わらないだろうと判断してそのまま緩やかな上りに入る。

前回は御池までの道のりがなんか酷く長く感じた記憶があるのだが、今回はそうでもなかった。途中でボトルが1本空になったので、後で出てくるはずの激坂区間に備えて、前回と同じ自販機で補給。

ベンチがあったので横になっておくべきかと思ったのだが、あまり眠くもなかったのでそのまま出発。

その後トイレとパン補給。雨は微妙に降り続けている。休憩中に先ほどの女性など数名に抜かれた。

七入橋を超えると傾斜が変わり本格的ヒルクライムになる。7kmで400m以上上がる。ここまで145km走っている脚ではそうそう元気は出ず、10km/h以下でなんとか登る。

PC2 御池には9:38着、貯金は1時間10分。さすがに標高1500mまで登った地点のPCなので時間的には厳しいことになっている。スタッフのチェックを受け、売店が営業しているというので雨を避けて逃げ込む。ヒルクライムの熱が冷めた後は寒い。

ここから先は数十キロ無補給区間だとブリーフィングや試走レポートで散々脅かされているので、売店カップラーメンとチョコレートを買う。

よく見ると、雨具を来た登山客っぽい人が結構いた。人のことは全く言えないが、こんな天気でご苦労様である。

10:00に急いで出発。貯金は1時間を切ってしまっている。

PC2御池〜PC3湯之谷(酷道 樹海ライン)

前回の宇都宮400kmはここで折り返しのコースだったのだが、今回は禁断の酷道をそのまま先に進む。少しだけ登って急勾配の下り、しかも雨で道幅は狭いワインディングロードという最悪の条件。左手がまだ完調でないので後輪ブレーキがほとんど使えないということもあり、慎重に下る。それでも、対向車がブラインドコーナーから現れて焦る、ということが数回あった。

標高が下がるにつれ気温も多少上がり、また空も明るくなっていった。下りきったあたりではほぼ完全に曇り。酷道とかいうのでもっと酷いところを想像していたのだが、普通に自動車が停まってるし人工物も多いのでそんなに秘境という感じはしない。しかし自販機や街灯のたぐいは皆無であり、夜になってからは走りたくないと思った。

噂の「洗い越し」はいつ出てくるのか、と思って走っていたがなかなか出てこない。それっぽいコンクリートのくぼみはあるのだが。と思ったら出てきた。こういうの。

今回はどうせ雨に濡れてしまっているのでどうということはないのだが、ここまでドライで来てこんなのがあったら確かにイヤだなあ。少なくとも泥よけは装備しておきたい。

途中、路肩でサドルバッグを開けて休憩中?の人がいた。トラブルかな?と一瞬思ったのだがそのまま通過してしまった。

携帯電話の圏内まであと何キロとか、次のトイレまであと何キロとか、いかにもな看板が見られる。

ちなみに携帯電話が圏内なのは、直上に送電線が走っているあたり。送電線に基地局が同居してるんだろうか。(しかし、送電線の電圧をどう降圧してるのだろう)

そうこうしているうちに後ろからeijitomさんに声をかけられる。どうやら、さっき路肩で停まっていたのはeijitomさんだったらしい。聞くと、洗い越しでブレーキが効かず突っ込んでクラッシュし、シフトワイヤーが切れてしまったそうだ。よりによってこの無サポート区間で。途方に暮れてDNFを覚悟したのだが、通りがかりの参加者の方にワイヤーを分けてもらって九死に一生を得たとのこと。うーん、さすがに400kmのブルベでもシフトワイヤーの予備まで持って走っている人はそうそういないだろうから、かなりの幸運だったと言わざるを得ないでしょう。そもそも、シフトワイヤーを携帯工具だけで交換出来るってのもかなりのスキルだと思うけど…。

というわけでこのときばかりはDi2が羨ましいという話になった。確かにシフトワイヤーは無いけど、エレクトリックケーブルやジャンクションが破損してしまったら、おそらく出先での修理は不可能なんじゃないかなあ。あとはバッテリー切れ。「たまたまDi2のケーブルを持って走ってました」とか「たまたまDi2の予備バッテリーを持って走ってました」なんて人が通りかかる可能性はほぼ皆無(笑)。

奥只見湖が見えるポイントがあり、停まって写真撮影。

奥只見湖の周囲では200m程の登りが2回あり、2回目の登りをeijitomさんに引っ張ってもらい登る。僕にとってはかなりのハイペースで、いい感じの勢いで登ることが出来た。下りもかなりのスピードで下る。確かに、このスピードでいきなり洗い越しに突入し、直後がカーブだったりすると(そういう場所が確かに多い)、ブレーキングを間違える可能性はあるなあと思った。

しかし、下りの途中でGPSのバッテリーが切れた。なんでまたこのタイミングで…。仕方ないのでeijitomさんには先に行ってもらい、下りきったあたりのところで電池交換。


停まったついでに、日も出てきたので雨具を脱いでしまうことにした。

その後も絶景ポイントがいくつか。

すっかり晴れたところで銀山平に到着。ここに補給ポイントがあるという事は知らされていたので迷わず停まる。eijitomさんも先に来ていた。日が差して暖かく、濡れたものをしばし乾燥させる。御池では雨で寒かったので、太陽の恵みを実感する。


ところで、このときは気づかなかったのだがなんと千葉600kmのスタート地点に冷やかしに来ていた知人が偶然(本人曰く)居合わせており、こっそり写真を撮られていた。全くびっくりである。

しばしひなたぼっこした後、結局ここまで食べていなかったおにぎりを食べてしまい、トイレに寄って出発。レジャーシートが引いてあったので、ここで仮眠を取るならかなり極楽だなあと思ったのだが、暖かい割に眠気はまだ感じなかったので先に進む事にした。

次は枝折(しおり)峠300mの登り。道幅はかなり狭く曲がりくねっている。登り口のところに「初心者は事故るから素直にシルバーラインの方に行け(意訳)」という看板が立っていていた。(写真は撮りそびれた)

見晴らしのいい、適度な斜度の峠で気持ちよく登坂。

下を見下ろすと、手を振っている参加者の方が見える。

長大なスノーシェッド。

峠の頂上。木が多く見晴らしはあまり広がらない。

ここから一気に標高差900mを20kmで下る爽快ダウンヒル。とはいってもかなりの向かい風なのと、左手に不安があるのであまりスピードは乗らない。時々来る対向車も怖い。斜度が緩くなるとクランクを回さないと30km/hに落ちてしまう。

景色が良かったので停まって写真撮影。

途中、「栃尾又温泉自在館」の看板を発見。ここには以前(大分昔)に友人と車で来たことがある。温泉以外に何もない、とてもよいところだった。まさかこの道を自転車で走ろうとは当時は思いもしなかった。

小出まで下ってPC3 セーブオン 湯之谷吉田店に到着。時刻は14:11で、クローズまで1時間50分。御池から1時間ほど貯金を回復できた。ここでまた先に到着したeijitomさんに会う。そのときのつぶやきがこれ。

さっきまでの天気が嘘のように晴れている。タオルを自転車に掛けて乾燥。

暖かくなってきたので眠気がいつ来てもおかしくないと思い、コーラとメガシャキを飲む。眠くならないよう、補給はゼリーだけ。おにぎりとあんパンも買ったがジャージの背中に入れておく。

30分滞在で14:40に出発。

(PC3〜ゴール に続く…)