akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM409中部400kmレポート

東日本大震災があってから約1ヶ月。BRM313宇都宮200kmとBRM326埼玉400kmが延期になってしまったので、震災後初のブルベになった中部400kmを走ってきた。1ヶ月のブランクでいきなり400km、しかも震災後は仕事の方がだいぶ大変でろくに自転車には乗れていない。果たして完走できるのだろうか。

天気予報は、金曜夜から土曜の午前中にかけて雨。案の定、名古屋駅で新幹線を降りたあたりから降り始めてきた。
BRM213中部200kmの時と同様、尾張一宮駅前のルートインに宿泊。夕飯は、次はこれにしようと思っていた第一旭本店の「特製」。

ホテルに戻って輪行袋の中を確認してみると、ダウンチューブが泥よけの金具と干渉して傷ついてしまっていた。ORBEAのロゴが削れて大ショック…(思えばこれが今回のけちのつき始めであった)

スタート時間は8時なのでそこまで早起きする必要もない。ビール飲んで22時くらいに就寝。

翌朝。やはり雨は止んでいない。前後泥よけ、レインコートとパンツ、防水ソックスとグローブの完全雨装備で出発。

さすがにスタート地点の人数も少ない。20人くらいしか来ていないようだ。

AR中部のBRMで最初からこんなに降っているのは初めてとのこと。強力な雨男がいるのか。

光明寺公園は桜の木が多くしかもいい感じに咲いている。雨でさえなければ…

車検も屋根の下で終え、スタート。

スタート後しばらくは公園内の桜並木を走る。

橋の向こうに見えるのは犬山城

犬山城近くの神社の桜。

その後しばらくは、去年の中部1000kmの最後の区間を反対向きに走る。思い出深いコースだ。あのときは晴れていたが…

八百津町の細い道を走っていたところでトラブル。車庫か駐車場から出てきた車がこっちを見ていなかったか無理して出ようとしたらしく、後輪に左から当てられてしまった。たいした衝撃ではなく倒れもしなかったのでそのままスルーしてしまったのだが、しばらくして後輪から音がするのに気がついて停止。よく見るとホイールが大きく振れてしまっていた…

ブレーキキャリパーを開放すれば走れるが、ちょっと擦れる音はする、という程度。しかしまだ50kmも走っていない状況で、これから350km以上をこの状態で走れるのだろうか…今なら引き返せば多分駅までは自走できるが、山の中でスポークが飛んでしまったりしたら本当に身動きが取れなくなる。雨もまだ降ってるし…。PC1にも到達できず今回はDNFか…と10分くらい悩んだのだが、ブリーフィングの時にAR中部代表のH瀬さんが「DNFの時は…DNFは禁止です(笑)」と言っていたのを思い出し、まーとりあえず行けるところまで行ってみるかあ、ということにした。やはりここ一番ではそういうのが大事なのだ、と思った。ツイッターに失意のつぶやきと写真を書き込んで走行再開。

木曽川渓谷がガスっている。

橋を渡った先には激坂が待っていた。そしてそのまま大久後トンネルへ…

途中空腹を感じたので昨日買ったサーターアンダギーを補給。雨は弱くなってきている。

山道を走っていると携帯電話が鳴った。見知らぬ番号なので誰かと思ったら、スタッフのK村さんだった。どうやら、ツイッターを見て心配して電話をかけてきて下さったようだ。とりあえず走行できていることを伝える。この先の下りが危険なので気をつけてとのこと。

12時過ぎにようやく最初の通過チェックポイント。ここはPCではないので時間制限は無いが、レシートが必要。スタッフのK村さんと[twitter:@maruyoyo]さんがいた。ご心配おかけしました。どうやら最後尾らしい。さすがに最初の雨で全然ペースが上がらず、事故った上に激坂&急なワインディングロードの下りで、時間的余裕はほとんど無い。ホイールをいじろうとしてみたのだが適合するスポークレンチがなく断念。折り返して12:20出発。

再度木曽川沿いに戻る。桜が綺麗。

300m弱のヒルクライムを終え、恵那市との境の中野方峠。雨は上がっており路面も乾いてきたのでPC1白川まで快適ダウンヒル

PC1に付いた頃には日も出ていた。最後尾なので誰もいない。これはこれで焦る。

レインウェアはここで脱ぎ、補給してトイレ行って、あと雨でチェーンオイルがすっかり流れてしまっていたので注油して出発。100kmのPC1で貯金が30分しかない。まずいなー。

ここからは白川沿いに舞台峠まで500mアップの登り。

最初は緩いので25km出るが傾斜と共にスピードが落ちて最後の方は15kmでくるくる回す。最初の大久後の激坂登りで脚が売り切れてしまったらしく調子が上がらない。

このあたりはつちのこを観光資源にしているようだ。

舞台峠、ここで150km。PC2まで50km/hの快適ダウンヒルであっという間。16:50着。

日が延びたのでまだ明るいとはいえ西日も大分傾いている。貯金は1時間弱まで回復したが次も山岳区間でありやっぱり余裕は無い。折り返しで舞台峠まで再度登り。脚は大分きつく、最後の方は10km/hしか出ない。やばい。

塞の神トンネルを越えて一度下り、椛ノ湖への登りに入る頃にはすっかり暗くなっていた。下って乙姫大橋を渡り、国道19号を横断するところに「馬籠宿」の文字。

そうかこのへんか。このあたりもやはり去年の中部1000kmで通ったはずだが、意識がもうろうとしていたので全然覚えていない。

そこからさらに300m弱上ったあたりが馬籠宿。確かにそれっぽい感じの場所だが、既に真っ暗だし時間に余裕もないのでスルーするしかない。余裕で観光できる脚力が欲しいものよ…

下って中津川のPC3に20時前着。貯金は1時間半。

流石に冷え込んできたので、今までただの重しだったジャケットを着用。ここで200km。やっと半分ですよ…。

100m位の丘を一つ越え、先ほど通った河合の交差点を過ぎてしばらく同じコースを再度なぞる。200m登ったあたりで左にそれ、山道へ…

ここから先が今回最強の激坂ゾーンだった。特に後半。そして真っ暗、これぞブルベ。ただ、まだ日付が変わってない時間帯だったので眠気がそんなに出てこないのは助かった。

しかし激坂をダンシングで登っていると、事故でテンションバランスの崩れたリアホイールがきしんでいるのが分かる。車体を傾けるとリムがブレーキに当たるし、スポークからギシギシと音が… この真っ暗な山の中でスポークが切れたりしたらどうしようもなく一巻の終わり。耐えてくれ…と祈るように登る。やはり、現場で最低限の振れ取りやテンション調整くらいできるようにしとけばよかった

ピークを23時前に超え、15kmで600mを下るダウンヒル。暗いのであまりスピードは出せないが40km/hで下る。景気づけにボカロソングを大声で歌いつつ。そして通過チェックの八百津には23:20着。250km。

先行していた参加者の方が2人いた。今回のブルベは最後尾をひたすら一人旅だったのでちょっと安心する。


一気に下ったので流石に寒く、カップ蕎麦を食らう。30分程長居してしまい、出発。

次は名古屋市街までの下り基調で、大きな登りはない。淡々と走るが、流石に眠気がやってきた。また、信号によるロスが段々多くなってきて焦る。

そしてPC4まであと数百m、というところで、Edge800の画面がホワイトアウト。ああああまたか!今日はまだ300kmしか走っていないのに。失意のうちにPC4に入る。時刻は2:00。

画面がフリーズせずいきなり消えるのはハードリセットしないとどうにもならないパターン。案の定、電源を入れ直してもLoading mapsで落ちる。ただ、何回かやっていると数秒間だけは通常の画面が出てくる事があるようだ。そこでログをどうにか切り離せないかいろいろやってみたがだめ。PCの直前で切れたことが不幸中の幸いか…

ここでハードリセットをかけて工場出荷時状態に戻せば復活することは分かっているのだが、当然ログが全部消える上にまた設定を全部やり直すのは時間の無駄。ひょっとしたら、今の状態でPCに接続すればログもサルベージできるかもしれない。

今回も、保険としてログ専用GPSを平行稼働させてあったのだが、途中電池を見たら切れてしまっていたので、一部欠損区間がある恐れがある。出来ればEdge800のログは残しておきたい。

ということで、今回は、いつも予備系として持ち歩いているForetrex401の方に切り替えることにした。こちらにもルートは入れてあるので、地図は見えないがナビには問題無い。

スタッフK村さんはここで離脱とのことなので挨拶をして2:30前に出発。流石に眠気がまずいので、この先にある24時間営業のマクドナルドで仮眠を取りたいなあ、と思っていたのだが、PC4出発時点で貯金は1時間30分。仮眠を取るには少々厳しい。そもそもファミレスの類で落ち着いて眠れるスキルは無い。うーんどうしようと悩んだが、これも経験だと思い入ってみることにした。

腹が膨らめば多少は眠くなるだろうと思って一通りセットを食おうとしたのだが、流石にこの油っぽいポテトは無理だった。また、眠いはずなのにやはり眠れない。やはり、自分は快適で暗い環境じゃないと眠りにつけないようだ。まだまだランドヌールとしては未熟者である…


結局一睡も出来ず時間を無駄に削っただけになってしまった。そのくせ眠気は走行中にひっきりなしに襲ってくる。途中何回か路肩などで横になってみるが眠れない。平地なのに20km程度しか出ない。向かい風でもあるようだ。つらい…

それでも、5時を過ぎると空が白んできた。400kmの一晩なら、ろくに眠らなくても明るくなってくればどうにかなるのがありがたいところだ。しかし向かい風は止まず、また揖斐川を越えてから小さなアップダウンが始まった。売り切れた脚にはかなりきつい。このあたりが今回一番辛かった。

途中綺麗な公衆トイレを見つけたので休憩。

揖斐川沿いに走り始めたあたりから向かい風が激化。20km/h出ない。たまらずバス停で風よけ休憩…

…していたら、立てかけておいた自転車が傾いて鉄柱にぶつかり、トップチューブに大きな傷がorz

なんだかもう段々傷がどうでもよくなってきた。


登りの山道を越え、最後のPC5柏原。このあたりも宿場町のようだ。貯金は1時間を切っている。急いでゼリーと眠気覚ましをドーピングして折り返し。

しかし残りの区間は下りと追い風で極楽だった。桜の写真を取る余裕も出来た。



最後の方はダラダラしつつ、結局制限時間2時間前の9時過ぎにゴール。

やはり最後の走者だったそうだが、クローズ2時間前に撤収できたのは早いほうとのこと。それにしても光明寺公園は昨日と打って変わっていい天気で、まだ早かったせいか雨でも桜は散らずに残っていて、ゴール後しばらくスタッフの方と談笑しつつ花見を楽しんだ。

その後は木曽川駅の多機能トイレで着替え、輪行して帰宅。

自転車はその日のうちになるしまフレンドに持って行って見てもらった。ホイールについては、やはり振れ取りでどうにかなるレベルではなくリム交換必須となってしまった。がっかり。しかしフレームの方には特に問題は無いようでこっちはよかった。

リムを取り寄せて修理すると3週間はかかってしまい、またリムだけで新品の8割の値段になってしまうとのことなので、結局、在庫あって即納可能な新しいDura-Aceホイール(WH-7900-C24-TL)に交換してしまった。古いホイールは部屋につるして自らへの戒めとすることに。

Edge800の方は、PCに接続したら案の定ログを吸い出すことが出来た。そして、Activitiesフォルダにある.fitファイルを消去したら無事起動することが出来た。やはり、腐ったログファイルを自分で吐いてしまうのが電源落ちの原因のようだ。どうも、以前も見たことがあるGARMINのユーザーフォーラムのこのスレッドと同じ現象に見える。

見直して気づいたのだが、衛星を補足するまでは動くらしい。なるほど、今回何回かしばらく動くように見えたのはそういうことだったのか。

しかしこのバグは困る。発動してしまうと、GPS単体ではどうしようもない。PCがあればデータを吸い出してログを消すことで復活させられるのだが、流石にPCを持ってブルベを走るわけにもいかない。

一つの案としては、ログをMicroSDの方に書くようにして、もしログが腐ったらMicroSDをすかさず予備のものに差し替える。今なら4GのMicroSDでも1000円以下で買えるし、数枚持って行けば流石に足りるだろう。

問題は、その場合にコースデータをどこに置くか。今まではMicroSDに置いてあったので、最悪本体をハードリセットしても消えなくて済んだ。今まで通りMicroSDに置くなら、全ての予備SDにコースをコピーしておかなければならず不便。一方、本体の方に入れてしまうと、万一ハードリセットが必要になったときにコースも消えてしまいナビが不可能になってしまう。

まあ、MicroSDの差し替えでハードリセットが回避出来るならそれでも大丈夫だし、そもそも今回のように予備のForetrex401で走ればDNFということは無いと思うのだが。

あと、TKAから買った道路地図(MicroSDメディアの形で買った)は、他のSDにコピーしても動くのか、というのもまだ試していない。

今回の教訓としてもう一つ。ロガーのTP850はやはり単4*2本で150kmが安全距離のようだ。電池残量が残っていても交換したほうがいい。

それにしてもやはり400kmはきつい。先日の神奈川400km豊橋-鎌倉は、主催者がサービスコースと言っていたとおり、好天、追い風、フラット、そして仮眠場所と難易度がかなり低かった。今回は獲得票高は4000m以上で、最初の雨で余裕を作ることも出来ず、仮眠もできなかった。これが本来の400kmブルベの難易度である、と痛感した。4月23日には、PBP出場をかけた名古屋600kmがあるのだが、これまたほとんど平地のない山岳コースとなっている。かなり辛いブルベになりそうだ。雨が降らないことを祈る。