akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

ブルベカードの記憶2010

去年も書いたこのエントリのタイトルを、今日ちょうどブルベカードを整理していたら思い出した(ちなみに中部1000kmのブルベカードとメダルはまだ来ていない)。今年はPBPへの出場枠の件があったので3,200kmを意識し、2009年以上に多くのブルベに参加した。そのうちのいくつかはあとから発生した事情でやむなくDNSもしてしまった。

思い起こせば去年の12月、新車のOrcaが納車されてからひと月足らずでBRM117中部1000km。雪でコースが変更になりド平坦になった。帰りの輪行では自転車持ち込みに金がかかると車掌に言われてツイッターに書いたら色々応援されて(たしか[twitter:@koganei3]さんだったかな)結局無料になったんだった。

BRM313千葉200kmBRM320埼玉300kmは、2週続けての暴風ブルベだった。犬吠埼近くで自転車が倒れそうな風に吹かれたり、風のせいで野焼きで死人が出たのも知らず東富士演習場のど真ん中を真夜中に走ったり、一斗缶が道路を舞い火花を散らし、砂利が容赦なく肌を攻撃してくる。大自然の脅威に恐れおののいた。

BRM403宇都宮300kmでは、4月なのに雨交じりの冷たい雪の中を山越え。ぐしょぐしょに濡れてしまったその後も制限時間に追われ、八溝グリーンラインにやられ、今から考えればよく完走したものだと思う。

BRM417神奈川300kmは、事前にゴール地点が直江津から伊東に大変更され、しかも当日になってスタート地点が変更されるという大波乱。結局、道志みちの雪がやばそうだということで僕はDNSしてしまった。宿を予約してあったので単なる温泉旅行に変更されてしまった。それはそれでよかったけど。

BRM515神奈川400kmは、横川で峠の釜飯を堪能し、平和に碓氷峠を登ったまでは良かったのだが、暗くなってからの登り、寒さ、暗夜行路の御坂みちが辛かった。そしてそのあと道志みちの下りで居眠り落車未遂。一歩間違えたら大惨事だった。カーボンハンドルを削ってしまった。

BRM529神奈川600kmは風邪で無念のDNS…。風邪は長引きその後のMt富士ヒルクライムDNSだった。

妙な咳を残したまま走ったBRM612北海道300kmは北海道を満喫したいいブルベだった。支笏湖が真っ暗で見えなかったのが残念。

その後、妙な咳が悪化して(あとから分かったのだが)肋骨にヒビが入るまでになってしまった。まあ、ちょうどその期間はブルベは無かったのでよかったのだが。

そして3ヶ月のブランクを挟んで走ったBRM904千葉600kmは、二度の居眠り落車で無念のDNF。あそこまで眠気にやられたブルベは今まで無かった。無人駅での駅寝というものを初めて経験した。真夜中スタートというのもあるのだが、激しい酷暑もかなり難易度を上げていたと思う。このときの怪我(親指靱帯部分断裂)がかなり後を引き、次のBRM918北海道600kmでは左手テーピングでの参加となってしまった。しかしこのテーピングがくせもので、素人が適当にやった製でむしろ爪などにダメージを与えてしまったようだ。しかも、途中かなりの雨に降られてしまった。ちょうど夜中だったこともありかなり辛かったなあ。道の駅の畳と防水ソックスに助けられた。このブルベが完走できなかったら今年はSRが取れなかったのだが、今年も取れてよかった。

BRM925宇都宮400kmは、直前まで参加をためらうほど、脅し文句の怖いブルベだった。千葉600kmで痛い目にあった深夜スタートに加え、数十キロに渡る完全無補給区間の「酷道」樹海ライン。しかも雨。とはいえ、樹海ラインや六十里越を明るいうちに通過できたので事前情報ほど厳しくはなかった。それでも最後は眠くて走りながら歌を大声で歌う羽目になったけど。

そしてそして、今年の目標の一つ、初の1,000kmブルベ、BRM1008中部1000km。土砂降りの雨を含む、文字通り山あり谷ありの3日間。終盤には普通に生きているとなかなか出来ない経験をしたような気がする。自分の無力を痛感した。PBP1200kmの前に1000kmを経験出来て本当に良かったと思う。

今年よかった思い出の一つは、ツイッターで知り合った何人かの方に実際に会って話を出来たことだろうか。身の回りに自転車に乗るやつはいるけどランドヌールは一人もいないという状況だったので、話題を共有出来る仲間はやはりありがたい。事前の準備の時は情報をシェアしてもらえるし、終わったあとのブルベ談義ほど楽しいものはない。

今年もブルベの最中には、多くの参加者の方に有形無形に助けられた。心が折れかかっている時に、悪天候や寒さ、待ち受ける激坂や暗闇をものともせずPCを出発していくランドヌールを見るだけで「自分も行かねば」という気持ちになる。人里離れた真夜中の峠を登っているときでも、しばらく止まっていれば抜かれるし、PCに着けば誰かしらいて、同じように疲れて、所構わず仮眠を取っている。

そして、制限時間という存在が否応無しに(いい意味での)プレッシャーになっている。途中で辛くなっても、ここまで来て「認定(Brevet)」を諦めるのか、と思うと、僕の性格もあるのだろうけど脚が動き始める。諦めるのではなく、完走するためにはどうしたらいいのか、という方向に頭が働き出す。そして走り続ければ雨はいつか上がり、景色は広がり、完走できれば心地よい達成感と疲労がやってくる。

ブルベというイベントがなかったら、僕はひょっとしたらもう自転車にはろくに乗らなくなっていたのではないか、という気さえしてくる。実際、今年Orcaで走った距離は6,500km程度だが、そのうち4,200kmはブルベで走った距離なのだ。雨が降っていても気分が乗らなくても、申し込んでしまったらスタート地点に行かねばならない。そういう「枠組み」に乗せてしまうのが、僕の場合怠惰な自分を制御するいい方法になっているのだと思う。

来年はいよいよPBPの年だ。まだ出場枠について何も知らされていないので現時点では参加出来るかどうかも分からないPBP2011だが、とりあえず今年出来ることはやった。ただしそれは認定距離の話であって、自分の脚力はむしろ低下している気がする。体重の増加もまずい。これから来年夏にかけては、せめて昔体重が一番軽かった時期の脚力までは復活させたい。それはある意味、1000kmを完走することよりも難しいのだろうが…