akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM514神奈川600km「沼津クラシック」レポート

今年3つエントリしてある600kmの2回目、BRM514神奈川600km、愛称沼津クラシックを走ってきた。BRM423名古屋600kmでは寝不足と大雨にやられてしまい、SRそしてPBP出場権確定を逃してしまった。連休中の観光ブルベで気分一新、今度こそ決めたいところである。

幸いにして天気予報は悪くなく、少なくとも雨の心配はなさそう。というわけで、雨具は持たないことにした。これだけで大幅に難易度が下がる。

また今回は可能な限り装備を軽量化するよう注意した。名古屋600kmで浸水した反省から、サドルバッグをダイナパックEXからオルトリーブLに変えたので、そもそも積載量はかなり少ない。600kmなので仮眠地点での着替えを積む必要があったのだが、結局インナーとソックス、アームカバーだけにした。

それでも、深夜の峠は10℃を下回る、とのことだったので、長袖の裏起毛ジャージと冬用グローブ(これらは無かったら死にそうだったので持って行って本当に良かった)も詰め込み、それだけでサドルバッグはほぼ満杯。

いつも持って走っている輪行袋も、今回は不退転の決意で持って行かない事にした。今から考えたら、ボトルケージが1つ空いたのだから、ツール缶を入れて携帯工具などはそちらに入れれば良かった、と思う。(ツール缶というのは使ったことがないが)

輪行で沼津に到着。実家が電車で30分程度の場所にあるのだが、可能な限り睡眠時間を増やす方向で考え、駅前にホテルを取った。

高校が隣の駅だったため、このあたりも微妙に思い出があり懐かしいが、当時よりはかなり寂れている気がする。いつだったか忘れたのだが、一度だけ妙に量の多いスパゲティを食べた店が確か駅前の商店街にあったよなあ…などと思ってwebで検索してみたら、それっぽいところが出てきたので行ってみた。

記憶していた雰囲気とはちょっと違うのだが、多分ここだと思う。今年で26周年だそうなので、時代考証も合っている。昔食べたのはおそらくキ○ガイ盛り(5倍盛り)の1kgだったと思うのだが、流石に今回は日和って2倍盛りにしておいた。ブルベ前のカーボローディングとしては適量で、2.5倍でもよかったかもしれない。

翌朝。予報通り天気はよさそう。ホテルをチェックアウトし自走でスタート地点の学習院遊泳場へ。

[twitter:@makota555]さん、[twitter:@kenneth_dm]さんがいらっしゃったので挨拶。また、前回十勝でお世話になったチコリンさんとAJHスタッフのY田さんも。

[twitter:@j_trad]さんは名古屋600kmで痛めた首が復活しておらず今回DNF前提だそうで、いつものsupersixではなくクロモリフレーム。


ブリーフィング終了し、車検を受けて6:00前に順次スタート。市街地を抜けて千本松原まで行くと、意外なことに追い風で30km/hオーバー巡航。

しかし段々追い風は失速し、由比の旧街道、豊橋〜鎌倉400kmで仮眠した健康ランドを過ぎ、通称いちごロードに出たあたりから強烈な向かい風。前走車のうしろにこっそり張り付いて無賃乗車…。どーもすいません。市街地で列車集団がコンビニ休憩に入ったので、あとは一人旅。まだ脚はフレッシュなので大崩海岸も普通に登る。向かい風が続くが、PC1直前の数キロだけは方向が変わるため追い風に。楽だ。

御前崎のPC1には11:00ちょうど頃に到着。15分で出発。

御前崎をぐるっと回ると、果たして強烈な向かい風が吹いていた。海岸の砂が巻き上げられて顔に当たり、痛い。目も口も開けていられない状態で、スピードもろくに出せない。

なんとか海岸線を離れ丘に登ると、進行方向に、今話題の浜岡原子力発電所が見えてきた。豊橋〜鎌倉の時は夜なので何も見えなかったのだが、これはちょっと記念写真を撮らねばなるまい、ということで入り口近くで撮ってみた。

こういうご時世なのでもうちょっと警備やらなんとか団体の人々がいて騒々しくなってるかと思ったのだが、そういうことはなかった。

掛川から国道150号を右折して北上しはじめるのだが、向かい風は相変わらず。どうも今日は北西からの風が吹いているようだ。とにかく東に向き始めるまではどうしようもないらしい。新幹線掛川駅まで北上し、そこから天竜浜名湖鉄道に沿って微妙に登り始める。スピードは乗らず、25km/hも出ない。

天竜川に出た後、天竜二俣のPC2。時刻は14:33。

あとから来たチコリンさんに、「次の区間は山岳で補給地点が無いから食べ物を持って行った方がいい」とアドバイスされたのだが、薄皮クリームパンが3つ残っていたのでこれで大丈夫だろう、と思って、その場で食べただけで追加の補給は持って行かなかったのだが、これがあとで間違いだったと気づく…。20分程で出発。

その後はしばらく、秋葉湖、天竜川沿いの気持ちいい道路。スタッフ説明の通り、ツーリング気分を満喫。向かい風でスピードは出ないけど。あと後述の理由で写真もろくに残っていない…。

途中で今回臨時コースとなった吊り橋を渡り国道に復帰、佐久間方面へ。途中、暖かくて眠気を感じたので商店があるところでコーラと、ガムの自販機(珍しい)があったのでブラックブラックガムを購入。このあたりは確か静岡300km茶畑で走った。

今回は佐久間から更に西に分け入る。日が長くなったとはいえ、17時を過ぎて山深くなると段々薄暗くなってくる。また傾斜がきつくなり本格ヒルクライムモード。

周囲が暗くなるにつれて、段々調子がおかしくなってきて、立ち止まること数回。精神的にも、なんかこのあと300km以上走らなければならないというのが絶望的に思えてきて、やばい状態。カロリーが足りてないのかと思いクリームパンを腹に入れたところ、大分ましになった。やはり、ハンガーノックが近かったのかもしれない。道の駅っぽいところがあったのでトイレ休憩と、店はもう閉まっていたので自販機の飲み物でカロリー補給。クリームパンは全て食べ尽くしてしまったので不安が残るが、仕方がない。今回は随分早い時間に暗夜行路状態になってしまった。

標高600mの太和金トンネルで一段落するがその後さらに新野峠まで500m上昇。最後の数キロは6〜7%の傾斜だが、既に10km/h以下しか出ない。峠に着いたのは20:00で、真っ暗。下りに備えてウィンドブレーカーを着る。

一旦下り、200m程の上り返しの途中でドリンクが切れそうなので補給。カロリーとカフェインの入ったコーラが欲しかったが無かったのでサイダーで。

微妙なアップダウンを超えて下山村近くのPC3に着いたのは、22:10。

当初の計画では、日付の変わらないうちに45km先の伊那になんとか辿り着き、ビジネスホテルで風呂に入って90分程寝るという手はずだったのだが、売り切れ気味の脚で登り基調の道ではどう考えても間に合わない時間。ホテルは諦めて、すぐ先にある24時間営業のガストでどうにか仮眠することにする。22:30に入店。

とりあえずハンバーグとスパゲティで腹を満たし、ホットココアを飲んでうなだれてみる。若者が騒いでいてうるさいのは耳栓イヤホンとiPodでどうにかなったのだが、やはり明るい環境で座ったまま寝るのは難しい。あとから来た参加者の中にはロングシートで横になってる人も居たが、そこまでの度胸はなかった。

結局、1時間位は粘ったがぼーっとしただけのような感じだった。仮眠は切り上げてトイレに行き、インナーウェアとアームカバーを着替え、コンタクトレンズを交換。店を出て隣にあったコンビニで着替えたウェアと使用済みのGPS外部バッテリーを袋に入れて自宅に発送。出発したのは0:50位だった。

飯田線沿いの、登り基調かつアップダウンの多い道を北上する。かなり寒く、途中で止まって、用意してきておいた冬用ジャージをウィンドブレーカーの下に着て、グローブも冬用のものに変更。これで大分暖かくなった。眠気はあるが致命的な程でもない。ガムを噛んだり、ボカロソングを歌ったりしてしのぐ。

勝手にPC3.5としておいた北伊那に着いたのは3:30過ぎ。残り時間を勘案し、ここで再度休憩とカロリー補給と仮眠のためにガストに入ることにした。既に何名かの参加者が沈没しておられた(チコリンさんもいらっしゃった)。

またもスパゲティと、コーンポタージュとホットココア。もとより仮眠は難しいと諦めていたので、1時間程で出発。ちょうど他の方も出発するところだった。暖かいところで体を休められただけで十分ありがたい。今回リタイヤした方の中には、この寒さにやられて路上で仮眠することもできず、諦めたという人も少なからずいたようだ。

5時前になっていたので既に明るい。太陽が登るのを心待ちにしつつ、善知鳥峠への登りを走る。明るくなってきたので眠気は薄くなっているが、途中厳しくなりバス停で5分程横になる。その間チコリンさんに抜かれた。

これで大分楽になり、太陽が昇って暖かくなったのも幸いして善知鳥峠をクリア。

下りは50km/hだが一瞬で終わり。塩尻市街を抜け、左右が畑のサラダ街道を走ってPC4へ7:00過ぎに到着。貯金は2時間弱。このあたりはなかなかの絶景なのだが、やはり写真がほとんど残っていない…。

暖かい物を食べて、しばし日光を浴びて横になり30分程で出発。折り返しで多数の参加者とすれ違う。思えばこのとき日焼け止めを買って塗っておけばよかった、とあとで後悔することになる。昨日の風を考えれば、ここから先は南下だから追い風だぜ、と思っていたのだが、なぜかかなりの向かい風。おいおい、話が違うよ、どういうこと…。

サラダ街道を戻り、塩尻峠への登りに入る。12km/h位しか出ないが、何人かの走者を抜いた。下りは流石に速いが向かい風のせいで常にペダルは回す。峠を下りたら諏訪湖の西側を通って茅野へ。ここも富士山が正面に見えて景色がよかったのだがデジカメが(ry

次は富士見峠。日差しがかなり強くなってきて腕の日焼けがちょっとまずいかなあ、と思っていたのだが次のPCで日焼け止めを買えばいいやと考えてスルー。峠を越え、最初の数キロは急勾配の下りなので何もしなくても40km/h出たのだが、やはり向かい風のせいで勾配が緩くなるとすぐにスピードが落ちてあまり楽しくない。暑いので途中にあった道の駅でソフトクリームを補給。

韮崎、南アルプスのあたりは、僕がブルベを始めた2008年に、200kmの次にいきなり走ってしまった400kmの沼津コースの折り返し地点だったあたり。ああそういえばこのローソンが折り返しだったなあ、というのを懐かしく思いながら通過。相変わらずの強い向かい風で、下り基調のはずが全然スピード出ず。

富士川を渡り身延線に沿って山の方へ。途中、[twitter:@mocha_misa]さんが停まっているのを抜いた。小さい登りをだるくこなして最後のPC5に14:10頃到着。とにかく暑い。

日焼けが予想以上に酷いことになっていてちょっと焦る。皮膚がほてってしまっている。一応日焼け止めを買って塗ってみたが、既に手遅れっぽい。これのおかげでかなり体力を吸われた気がする。途中で止まってでも日焼け止めを塗るべきだった。今回の大きな反省点。どれくらい持つか分からないがボトルに氷を詰め、ドリンクを注いで出発。残りは80km位。

いきなり下部トンネルへの激坂が始まってスピードが5km/hに低下。下りでもなんだか暑さと眠気で意識が朦朧としてしまい、自分が何をしているのかよく分からない状態になってしまった。波高島のトンネルの手前でたまらず一旦自転車から降りる。GPSではこのトンネルを通るルートになっているのだが、思い立ってキューシートを見てみると、左側の旧道を推奨とある。今トンネルを走るのは危険だと思い、旧道を選択。最後に出てきた巨大橋梁にびっくりする。

ここから先は富士川沿いの県道10号を行くのだが、細かいアップダウンがひたすら続く。途中3回ほど50m程度の丘がある。既に500km以上走って体力も暑さでやられているので、ちょっとした登りも全てインナーローになってしまう。2008年の沼津400kmの時はここを真夜中に走ったと記憶している。身延駅のベンチで寝ている人を見てびっくりしたものだ。

ひたすら同じような上り下りで、「もうあきたー」と文句を言いつつ走る。富士川橋までなんとか辿り着き、そこから先は平坦。風も、少なくとも向かい風ではないようなので御の字。街中では交通量が多くあまりスピードが出ないが、千本松原のあたりは30km/hで巡航。なんとか暗くなる前にゴールしたかったが、市街地で信号に阻まれスピード低下。

結局ゴールは19:13。公式タイムは37時間13分となった。手続きをしてしばし休憩。「これでフランスに行ける−」と話したら、AJ神奈川代表の井手さん(多分、そうだと思う)に羨ましいと言われた。試走で認定が取れなかったのだそうだ。

mocha_misaさんの迎えに[twitter:@hm7]さんもいらっしゃった。どうやら風呂に入れるようなので、着替えを持って利用させて頂いた。ありがたいありがたい。

サッパリして戻ってみるとチコリンさんがゴールされていた。SR確定出来た喜びでうっすらと涙ぐんでいらっしゃって、こっちも感動してしまった。ノンアルコールビールを頂いて、乾杯。ごちになりました。一緒にいらっしゃったのは北海道からの遠征組のT中さんでしたっけ?

しばしアフターブルベの歓談を楽しんだあと、荷物をしょって沼津まで自走。駅前で輪行の準備をしていたところ、ランドヌールっぽい方があとから来られたので声をかけてみたところ、やはり600km完走した方だった。([twitter:@mshirakawa]さん)

三島から新幹線の終電に乗車。あまり腹は減っていなかったのだが無理矢理車内販売のカツサンドを腹に入れたら速攻で寝落ちしていた。東京直前で急いで荷物をまとめ、日付が変わった頃自宅へ。風呂には入っていたので速攻で寝落ち。次の日は朝から仕事だ……



というわけで、今年2回目の挑戦で無事SRをゲットし、PBPへの参加資格を得る事が出来た。なにしろ雨が降らなくてよかった。眠気に関しても、今回はさほど厳しい状況にはならなかった。やはり暖かいところで動かないで居るだけでも大分違うのだろう。その代わり、ほぼ最初から最後まで吹き続けた強い向かい風と、2日目の日射には参った。熱射病になりリタイアされた方もいらっしゃったようだ。日焼け対策は怠ってはいかん、と反省した。腕はともかく顔もかなり焼けてしまったので、その後数日は会社にマスクをして出社することとなった。

また後日談なのだが、写真をデジカメから吸い出そうとしてSDカードをノート(VAIO)に入れっぱなしにしておいたら、何故かデータが化けてしまい、画像がことごとく読めなくなってしまった。これには本当にがっかり。以前GPSログが消えたことがあったが、それよりもショックが大きい。色々修復を試みて何枚かは吸い出せたり、また壊れる以前に取られていたサムネイルのキャッシュを使ったりして多少は残せたのだが、今回は絶景写真が何枚も撮れたのに残念なことをした。

データが化けた原因は不明。SDカード自体は寿命になるほど読み書きしていないし、ファイルシステムメタデータではなくファイルの中身そのものがランダムに化けているようなので、抜き差しのタイミングなどの問題でもない。刺しっぱなしにしている間にWindows Updateがかかって再起動しているようだが、それが何か悪さをしたのだろうか?とにかく、帰ってきた翌日の時点ではサムネールが表示されていたのだから、その時点では化けていなかったということは確か。

何回か繰り返して読んでみたが、データは全く変化しないので、物理的なメディアの劣化というのはちょっと考えにくい。こんなことが一度でもあると、SDカードやデジカメ自体に対する信頼が著しく低下してしまう。とりあえず、今後は、撮った写真はすぐにPCに吸い出してしまう、という位しか手が打てない。一応、安いメディアの4倍近い値段のPanasonic様純正SDカードは入手しておいた。