akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

AJ福岡主催フレッシュ・ジャポン2011 レポート

赤城山ヒルクライムから2週間後の9月22〜24日の三連休で、AJ福岡主催の「フレッシュ」に参加してきた。フレッシュというのは、いつものBRMとは少し違い、だいたい以下のようなルールで走行するイベントである。

  • 3〜5人がチームで走る。3人以上が完走しないとチーム全員が失格となる。
  • チームは常に集団で走行しなければならない。
  • 24時間で360km以上走る必要がある。
  • スタート地点・ゴール地点・各PCは、チームで自由に決定し、事前に申請する。
  • ただし、スタート時間の範囲は決められている。また、ゴール後、決められた時間の範囲内で「最終目的地(ナイス・プレイスと呼ばれる)」で主催者にブルベカードを提出する必要がある。

詳しい規定は、Audax Japanのページを参照。

僕は今までずっと基本的にブルベは一人で走ってきたし、複数人でのロングライドというのは未経験だった。そもそも、声をかけて集まってくれそうな人の心当たりもなかった。しかし、今年はなんとしてもフレッシュの認定が欲しい事情があった。それは、もし今年のPBPを完走できたのなら、あとはフレッシュを完走すれば「ランドヌール5000」の表彰対象となるからだ。ランドヌール5000は、簡単に言うと以下の全ての条件をを満たすともらえる。

  • 認定走行距離が4年間で5000km以上
  • 200,300,400,600,1000kmのBRMの認定
  • PBPの完走
  • フレッシュの認定

1番目の条件は、去年今年と毎週のようにブルベを走っていたので余裕でクリアしてしまっている。2番目も、去年中部1000kmを完走しているのでクリア。そして、今年の夏のPBPもなんとか完走できた。あと残すのはフレッシュのみ。

今年の春の時点でこのことに気づいていたので、なんとなくtwitterで「だれか一緒にフレッシュ走りませんかねえ」とつぶやいてみたところ、いきなり[twitter:@koganei3]さんと[twitter:@eijitom]さんが反応してくれて、最低3人の条件をクリアしてしまった。その後紆余曲折があり、最終的には[twitter:@j_trad]さん、[twitter:@take0204]さん、[twitter:@terrawell]さん、[twitter:@vyv00411]さん、そして僕の5人チームとなった。(残念ながら当初のお二人は事情で参加できず) 春先に参加を決めて以来、打ち合わせと称して何回か飲み会をしたりしていた。その割に、コースが決まったのは8月も終わりに近づいてからだったのだが…

コース案は、四国からフェリーで渡ってきたり、関門トンネルをくぐったりというようなものもあったのだが、やはり九州で完結するのがよかろうということで、takeさんがベース案を作った宮崎発、阿蘇山を登ってゴールの宗像に至るコースの平地部分をアレンジして作ってみた。


そんなわけでスタート前日。明日は朝8時に宮崎駅にいなければならないので、さすがに前泊が必要。休みを取って午前中は準備。今回からプロフィールマップはカシミール3Dではなくて、openrunner.com で作ってみた。これでまた一つ、カシミール3Dを使う理由が減った。

今回はスタート地点のホテルに荷物を置けないので、輪行袋はOS-500を使えない。いつものSL-100を使うしかないが、かなり不安がある。

羽田空港はかなり混んでるという話がtwitterで流れてきたのだが、着いてみたら既にピークは過ぎていたようですぐに搭乗口まで行けた。[twitter:@vyv00411]さんと遭遇。時間があったのでいつものカレー屋で昼飯。

飛行機で約1時間、宮崎空港に到着。ここにはいつだか、JANOG Meetingで一回だけ来たことがある。手荷物が出てくるのを待つ。

さすがにOS-500の時と違ってベルトコンベアには乗ってこなかったが、カートに横向きに置かれてでてきた。天地無用のシールが貼られているのだが、どうにもこの袋では素材が薄すぎて分かりにくいようだ…

そして中を確認すると、まずフレームを挟んでホイールを縛り付けてあるベルトが1本、破断していた…。よく見るとバックルとベルトの縫い付けがほどけている。既に切れかけていたのかもしれないが、どれだけの衝撃が与えられたのかと思うと恐ろしくなる。当然、中でホイールが動き回ってよろしくない状態。

さらに、フレームのヘッドチューブに付いてたシフトワイヤーを通す部品の接着が剥がれて外れてしまっていた。幸運なことに、僕のOrcaは電動シフトなのでこのパーツは使われず単なる飾りになっていたのだが、これも一体どれだけ酷い扱いをされたのかと。

PBPでフランスに持って行ったときはある程度覚悟していたのだが、国内便でここまでやられたのは初めてだ。ANAのサイトから申し込んだ便なのだが、実際にはSNA(今はソラシドエアーとか名乗ってるらしい)のコードシェア便。自転車の扱いに慣れてないスタッフが多いのだろうか。同意書にサインしているので文句を付けることも(建前上は)できない。twitterで一通り愚痴って、不安を抱えたまま電車で宮崎駅に向かう。

九州はオレンジカードが現役だった。

宮崎駅前の東横インにチェックイン。早速、恐る恐る自転車を組み立ててみる。とりあえず、ホイールは振れていないようだ…。確認のため、そこらへんを一回り走ってみたが、特に支障はなさそう。機材破損でDNSという事態は避けられたようだ。

夜はvyv00411さんと、ホテルで教えてもらった店で軽く前夜祭。地鶏の店で、もも焼き、チキン南蛮、冷汁など一通り名物を食べて満足。カーボローディングと称して2件目でラーメンまで食ってしまった。明日はガッツリ走らないと…


翌日朝、天気は上々でほぼ快晴。ホテルの朝食でチーム全員が集合。


とりあえずコンビニでドリンクなどを買う。事前に、PBPのオフィシャルジャージで揃えよう、という話をしてあったので、全員ジャージがおそろい。ちなみにチーム名(登録の時に必要だった)は、即席ツイッターチーム鎌野(Instant Twitter Team Kamano)という…

全員の荷物を、近くのクロネコヤマト営業所でゴール地点の宗像に発送し、準備完了。

宮崎市街を抜けて海沿いの国道10号をしばらく走る。天気予報の通り、今回のコースは基本的にずっと向かい風。チーム代表なのでなんとなく一番前でスタートしてしまったのが運の尽きで、ひたすら向かい風で先頭を引く羽目に。30km/h手前位をなんとか維持していたのだが、段々へたれてくる。そのうち誰か後ろから上がってきてくれるだろうと期待していたのに、誰も来てくれない…


国道を一度外れて日豊本線沿いになると、海沿いで風が更にきつく速度低下。ちょうどいいタイミングでPC1に到着。しかし次の区間も先頭。

途中、メンバーからどっかで昼飯を食いたいという声が上がる。僕はいつものブルベの通り、PCでの食糧補給しか考えていなかったので、何も当てがない。途中何件か海鮮の店があったのだがいずれも右側で何となくスルー。このままだと山岳の何もない区間に入ってしまうので、焼肉の店に入ってしまった。


しかし、実は普通に高級っぽい店で、さすがにこれから300km走るのに焼肉をもりもり食べるわけにもいかず、全員カルビクッパを注文。量も十分でうまかった。ノンアルコールのビール風飲料もうまかった。

結局1時間弱くらい滞在して出発。延岡で西に折れ、まず緩い登りに入る。そこでPC2…の予定だったのだが、なんと、PC2に予定していたコンビニ(ローソン)がどこにもない。どうやら、潰れてしまったようだ。通常のBRMと違い、各チームコースを作って試走もできないフレッシュだとこういうことが起きる。仕方ないので、相談して1km程手前にあったセブンイレブンで代用することにした。(こういう緊急回避はルール上認められている)


暫く走ると風景は山道になってくる。この区間では、今まで見なかったローディーとも何回かすれ違った(気がする)。川沿いで細かいアップダウンが多く楽なコースではないが、風景が雄大だ。さすがに平地のように集団では走れず、僕の脚に合わせて全員登るのだが、やはり多少は離れてしまう。途中から先頭がtake0204さんに交代。


山岳を楽しみつつ、16:13に高千穂のPC3に到着。日は大分傾いている。20分程休憩。薄皮クリームパンをゲット。


その後さらに傾斜はきつくなるが、適度に休憩をとっているのとtakeさんの絶妙なペースコントロールで、10km/hは維持。

すごいループ橋を登る。


最初のピーク、高森峠のトンネル手前で小休止、ウィンドブレーカーを着てライトなど点ける。トンネルを抜けると標高200mの程下り。

当初のPC4はここを下りきったところに設定してあったのだが、折り返しコースになってしまうために削除。そのまま先に進む。時刻は18:30で、かなり暗くなっている。


再び登り始めたあたりで、vさんが「トイレ(大)に行きたい」という。しかもわりと緊急度が高いらしい…。こういうときはチームで走るフレッシュだと止まるタイミングが難しい。そもそもこの先の山道にトイレがあるのかどうか。とりあえず、脚力に余裕のあるvさんはトイレを探して先行してもらうことに。

で、走り始めたらいきなりvさんのピンク色フレームを発見。どうやらトイレを発見したようだ。ここで休憩して防寒装備を身につけたりして待つことに。

待っている間、便秘をアーレンキーによる「オペ」で乗り切ったとかいう恐ろしい話をtakeさんから聞いた(詳しくはとてもここには書けない)。ランドヌールには色々な伝説を持つ人が居るが、いやはや…

しばらくするとvさんが戻ってきた。ペンションに飛び込んでトイレを貸してもらったとのこと。こういうときの交渉力というか思い切りの良さはさすがだなあ。まあ、僕も同じ状況だったらそれくらいするかもしれないけど。

300m位登って、阿蘇市との境、今回のコースの最高地点に19:30頃到着。既に真っ暗で、上を見上げると、まさに満天の星空。「おい、明かり消せ、明かり!」とのかけ声で自転車の前照灯を消して段々目が慣れてくると、見える星の数がどんどん増えてくる。天の川もよく分かった。いいオッサンが五人で天の川に感動する、というのもどうかと思うが(笑)、これもまたブルベの醍醐味。そして、チームで走行するフレッシュでなければこの瞬間を共有することは出来なかったわけだ。フレッシュを考えた人はホント偉い。

感動して写真を撮ってtwitterに流したのだけど、案の定「何も写ってないよ!」という反応。

しばし星空を堪能した後、宮地駅まで350m下り。カーブが多くあまりスピードは出せない。

PC4のコンビニ。飯をどうするか、というのが議題に。僕は前述の通りPCでコンビニ飯しか考えていなかったのだが、やはりvさんほか、ちゃんと座って暖かいところで飯を食いたいという声が多かったので、時間的余裕(200km走って11時間40分、ブルベ標準だと13時間30分なので貯金は1時間50分となる)も考慮し、数十分で出て来られそうなら大丈夫と判断。vさんが早速駅前の居酒屋を発見してきたのでそこに飛び込む。

入って飲み物は全員「ホットウーロン茶」。食べ物も腹にたまりそうなスパゲティ、丼物、〆のリゾット、など。居酒屋で酒を飲まないのはいやがられるなあ、と一同思っていたのだが、「店長からさしいれです」とサラダをもらったり、店のおねえさんが親切で暖房調節してくれたりして大変ありがたかった。見知らぬ土地で人情に触れるのもまたブルベの醍醐味。(そこでまた婚活という声が…)

腹を満たし、脚も休養させて次の登りへ。少し下り、大観峰へ350mアップ。ここも100mを10分のペースを守って登る。時間は21時過ぎ、腹がふくれて眠くなるタイミングだが、ここの登りでは全員がずっと会話をしながら登ったので眠くならなかった。こんなに話をしながら登ったのは初めてかもしれない。これもフレッシュならでは。

眼下には阿蘇市の夜景。途中、駐車場のような所で多分カップルが夜景でも見てたのだろうが、我々が近づいたら明かりを消して鍵をかけられてしまった。ライトが明るいからバイクで柄の悪い連中が来たとでも思われたのだろうか…

ピークには22時過ぎに到着。ここからは宮地まで700m以上の下り。舗装が悪く、真っ暗な中ではいくら明るいライトとはいえ怖くてあまりスピードが出せない。ハンドルを握る手も痛い。PBPの最後の方で舗装が悪くて難儀したのを思い出した。

下りの途中、松原ダムのところにトイレがあったので小休止。実は細々としたアップダウンがありそれなりに脚も使った。クリームパンの残りを補給。

その後も下り基調のアップダウンで、日付が変わる直前くらいに日田駅前のPC5に到着。さすがに眠気が来ていたので、どこか仮眠を取れる所がないか、という話になった。と、vさんがたまたまコンビニに来ていた若い女性二人組に声をかけて「ここらへんにマクドナルドないですか?」うーん、やはりこういうのは僕には真似できない(そしてまた婚活(ry)。例によって「どこから来たんですか?」「どこまで行くんですか?」という問いに対してちょっと説明に困るという会話。

運良く、すぐ先に24時間営業のマクドナルドがあったのでそこに入って中休止。他の方はバーガーやらポテトを食べているが、僕は(確か中部400kmで)うっかり夜中にマクドナルドでポテトを食べたら胃がもたれてどうしようもなかったので、カフェオレだけにしておいた。そしてまた想定通りだが、寝ようと思っても眠れない。目を閉じて数分過ごしただけだった。0:50頃出発。

ここから先は、微妙なアップダウンの連続のあと、市街地となる。最初は、takeさん先頭で今まで通りのペースだったのだが、vさんがどうも後ろで走っていると眠くなってしまうらしく、先頭を引かせてくれ、といって前に。途端にペースが上がり30km/h巡航。僕もこれくらいの方が心拍数が上がって調子よかったのだが、PBP以来膝に爆弾を抱えているterrawellさんがちょっと厳しくなり、全体ペースダウン。僕が先頭で23km/h巡航くらいに。その後takeさんは後ろの方で眠くてフラフラしてたvさんのフォローをしていた?ようだ。terraさんの前照灯は妙に明るく、車が来ているのかと錯覚することがしばしば。

PC6のコンビニには2:30頃到着。距離は300kmちょっと。いよいよ次は最後の登り、冷水峠。登りに備えて更にカロリーを補給。20分程で出発。

冷水峠は、トンネルと旧道の峠があり、手前に分岐がある。トンネルの方は確か自転車は通れないはずだったので、旧道に入るが、トンネル手前の料金所には「軽車両20円」の表示があった。あれ、旧道も金取られるのか?と思ったが取られなかった。ということは、20円払えば自転車もトンネルを通れたのだろうか。長さを考えるとあまり通りたくはないが…

そして旧道を登り始めたのだが、これがまた酷い峠だった。斜度は普通なのだが、道幅が二車線ギリギリなのに、トンネルの通行量を払いたくないのか、深夜なのにもかかわらず大型車がバンバンすれ違う。なんか、二両連結されたトレーラーみたいなのも通る(九州ではよく見かけた)。そして、車道のすぐ横は蓋のない側溝なのだ。落ちたら一発でDNF確定するような深い溝。おそらく車の方も相当迷惑だったに違いない。カーブの所では一旦止まってパスさせなければならなかった。たまに側溝に蓋がされている場所も出てくるのだが、いきなり蓋が途切れているので怖くて上を走れない。前を走るtakeさんと「こりゃーひでー、最悪の峠だー」と叫びながら走る。(眠いし)

途中、イタチだか狸だかの死体があり、間一髪のところで回避。後から聞いたところ、vさんは踏んでしまったらしい。なんまんだぶ。

さらに、ガードレールの向こう側でガサガサ音がすると思ったら、馬くらいの大きさの巨大な鹿が並走していた。こんなのが飛び出してきたら避けられないぞ、と思ったが運良く茂みの向こうに消えてくれた。やれやれ…

そんな酷い峠だったが、なんとか全員無事に登頂。下りは幸い前をふさがれることもなく快調に下れた。

精神的に大分きつかったので、下ったところにミニストップを発見して吸い込まれる。時刻は4時前。マイクロスリープが出始めて危険な状態だ。ファミレスがあったらそこに入って寝よう、という計画に。iPhone様によると、すぐ先にジョイフルというのがあるらしい…

しかし行ってみると、見事に閉まっていた。どうやら24時間営業ではなかったらしい。全員、失望の内に横を通過。その後もマクドナルドを見かけるがドライブスルーのみの営業。やはり、当初もくろんでいた通り、すき家で無理矢理寝るしかなさそうだ。そもそもそのすき家もちゃんと営業しているのかどうか…

と不安になりつつ走っていたので、すき家の赤と黄色の看板が見えたときは心底ほっとした。「あ、あれじゃね?」「そうだ!」「あーよかったー」

自転車が窓から見える隅っこの席に陣取り、胃がもたれない程度に腹を満たす。眠れないとは思っていたが、多少なりとも意識を失うことは出来たようだ。

4:30に入店し、5:50位まで居座っていた。外に出ると空は明るくなっている。よし、明るくなれば眠気はなんとか押さえ込める。これで勝てるかな、と思い始めた。

朝焼けの空。

その後は飯塚の市街地を走り、丘を一つ超えて最後のPC7に6:20到着。口の中が気持ち悪かったので歯ブラシを買って歯を磨いた。また、フレッシュのルール「22時間目から24時間目の間に25km走らなければならない」を満たすため、出発から22時間である6:30を狙って買い物し、レシートをもらう。走行距離は340kmであり、ゴール地点まで25kmちょっととなる。6:45に僕が先頭で出発するが、いきなりtakeさんに赤信号を指摘され、やはり注意力散漫な状態。

あとはまた丘を2つ越えて、川沿いのフラットな道を平和に走り、ゴール地点の神湊スカイホテルに7:50前に到着。


しかし、フレッシュの趣旨は「24時間で出来るだけ長距離を走る」であり、また距離も365kmちょうどで、最後の2時間の距離が本当にギリギリぴったりだったので、もうちょっと先にあるコンビニまで走って距離を稼ごう、ということになった。


ということで、ここが最終的なゴール地点のセブンイレブン。距離は368kmとなった。レシートをもらって終了。

その後、「ナイスプレイス」である集合地点のホテルに戻り、全員そろって記念撮影。お疲れ様でした。

で、ホテルの風呂に入ろうと思ったら、なんと9:00〜11:00は清掃のため入れないとのこと…なんということだ。仕方ないので、ロビーで缶ビールとつまみでコッソリ宴会を始める。スタッフを含め、まだ他のチームはどこもゴールしてないっぽい。


さすがに寝落ち。僕はこの期に及んでまだ眠れない。

そうこうしているうちに11時になったので風呂へ。また、前日送っておいた荷物が到着していたので回収。宴会部屋が仮眠室として使えるとのことなので、サッパリしたあと畳の上でやっと一眠りすることができた。

さて、実はフレッシュは24時間走っただけでは手続きは終了しない。指定された時間内に、時間を記入したブルベカードを主催者に提出しなければ完走認定がもらえないのだ。今回の指定時間は14:00〜17:00。忘れないうちに全員分のカードを受付に提出。書き方についてはどうすればいいかよく分からなかったのだが、AJ福岡代表のI本さんに直々に教えてもらった。

そういえば、I本さんに「冷水峠は酷い峠でした」という話をしたところ「わざわざあんな所通ったの?あそこは自転車の通る道じゃないよ、一本横に違う峠があるのに」という反応。どうやら地元では常識らしい。えー、だってコース提出したときチェックしたじゃないですか…。ブルベは自己責任ではありますが、ちょっと耳打ちしてくれれば…と思わざるをえなかった(笑)

その間も続々と他チームが集合。ブルベでよくお見かけする顔もたくさん。gakさん、ウワンさん、チコリンさん、ぴかさん、hayavusaさん、inainaさん、等々…

夕食の懇親会まで腹が持たなさそうだったので、近くの道の駅まで走って遅い昼飯。ビュッフェスタイルで好きなだけ食べられるのがブルベ後にはありがたい。

部屋は一応全室オーシャンビュー。元々リゾートマンションだったらしく(個人所有の部屋もいくつかあった)、普通のホテルとはちょっと違った雰囲気。

そして、いよいよ懇親会。チーム紹介を1分程度ですることになり、一応代表である自分がなんか喋らなければならないので緊張しつつ、なんとか大役を完了。あとはひたすらビールを飲み、色々な人と喋り、大変楽しい時間であった。

その後部屋に戻り、同室のvさん、j_tradさんと大変興味深い話をしたのだが、その内容は三人だけの秘密にしておこう。

翌朝早く、僕とj_tradさん以外のメンバーは早い飛行機に乗るため、早朝に出発していった。

朝飯はバイキング。これもブルベ後の腹にはありがたい、ってもう十分食い過ぎてるような気もするが。

チェックアウト後、東郷駅まで自走。駅の前までj_tradさんと一緒だった。後は新幹線に5時間乗って帰京。飛行機と違って自転車が壊れる心配はないし、ずっと座ってるだけなので、福岡方面であればこっちの方が自転車旅行向きである。(さすがに宮崎だと電車では時間距離が遠くなりすぎる)

随分長文になってしまったけど、今回の総括。

最初、フレッシュに参加しようと思ったのは、純粋に「ランドヌール5000」が欲しかったからだ。でもチームを作らなければならないから大変だなあ、面倒だなあと思っていた。偶々今回はすぐに手を上げてくれた方がいたけど、そうでなければ諦めていたかもしれない。さらに、いつもは主催者が作ってくれるコースを走るだけなのに、自分でコースを設定し、PCを設定し、ルールを満たすように走らなければならない。

実際の走行も、走力やコンディションの異なる5人が360kmにわたって集団走行しなければならないので、ペースのコントロールや配分が重要になる。自分より速い人がチームに何人もいる状態で本当に完走できるのだろうか、とかなり不安だった。

しかし、コースも比較的すんなり申請が通り、実際に走り始めてしまえば、むしろ「集団走行しなければならない」というルールのおかげで、あまり自分の貧脚で迷惑をかけているという事に関して引け目を感じずに済むということに気づいた。

とはいえ、他の人の事まで目が届いていたかというと全然そうではなく、PC6手前の区間でterraさんが厳しくなっている事には気づけなかったし、全体的に自分の脚と眠気の事だけで手一杯だった。その点、経験豊富なtakeさんはやはりさすがで、集団全体のコントロールができていた。しょっちゅう後ろを振り返り、全員そろっているか確認していたし、眠い時間でも人を笑わせる余裕があって、今回の隊長は事実上takeさんだったのではないかと思う。色々学ばせて頂きました。

これだけの長距離を集団で最初から最後まで走る、というのはおそらくフレッシュ以外ではちょっと考えられない。ある意味極限状態の濃密な24時間を5人で共有するという、なかなか出来ない体験が得られて良かったと思う。来年も縁と機会があれば、また参加してみたい。