akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM1009北海道200kmレポート(魔界とジーンズの罠)

フレッシュ終了から2週間、今年最後のブルベとなる、BRM1009北海道200kmに行ってきた。この日程だと関東近郊のランドヌールはその多数がハードな埼玉400kmにエントリーしていたのだが、貧脚の僕はお気楽観光ブルベのつもりでこちらにエントリーしたのだった。

3連休の初日、いつものブルベ装備を準備して(実はここで既に致命的な間違いをしているのだが)羽田空港まで輪行。かなり寒いと聞いていたのだが、さすがに真冬装備は要らないだろう。つい2週間前も宮崎行きで来たときと同じ店でまたカレー、ワンパターン。

同じく東京から観光目当てで遠征の[twitter:@pikasyacho]さんは既にビール三杯飲んでるとのことで、こちらも釣られて出発前からビール。

今日はぴかさんに釣られてビール飲んじゃうもんね。

北海道着いた

新千歳空港に着いて真っ先に気になるのは、自転車がどのような扱いを受けたか。前回のフレッシュの時は、荷物の都合で普通の薄い輪行袋に入れていったらパーツが外れるなどの被害を受けた。今回は一応飛行機輪行用のOS-500に入れて、念のためリアディレイラーも外してきたのだが…

手荷物受け渡し所で待っていると、自転車はコンベアにのって出てきた。まあ、過去に何回かあるけど、やはり係員の人が担いで持って来てくれる方が心証は良い。例によってブラケットが曲がってる以外は特に問題無さそう。快速エアポートに乗って札幌へ。

思ったほど寒くない。

ここも宇都宮と同じく、何回もブルベで来たのでおなじみになってしまった札幌駅北口。ホテルにチェックインし、とりあえず自転車を組み立ててみる。特に問題なし。やれやれ。

こういうレイアウトの部屋は初めて見た。L字型

いつものブルベなら前日はコンビニ飯でカーボローディングしとっとと寝てしまうのだが、今回は関東遠征組のpikaさんとチコリンさん、AJ北海道のY田さんが前夜祭をやるというので参加させてもらった。札幌の繁華街といえばすすきの、地下鉄で2駅。

普通に繁華街だ

まずは寿司屋で腹ごしらえ。回転寿司の店なのだが、席はテーブル席でネタはあまり回っておらず、実質普通の寿司屋と同じ。味も普通の寿司屋と変わらず、しかも安い。

寿司屋で前夜祭だ!

「200kmといってもそれなりに山岳だから、前日は控えめです」という話だったのだが、飲み始めたらそんな話も忘れ、ワインまで出てきてしまった。散々腹を満たし、上機嫌で二軒目へ…

何故か二件目

Y田さんがよく来るというスナック。日本酒の一升瓶が出てきていよいよ魔界へ。これがAJ北海道の罠か……。日本のブルベの明日(?)について熱く語り合い、上機嫌で店を出たのはそれでも気をつけて21時過ぎ位だったような…

翌朝、ハッと気がつくとベッドの上で寝ていた。時刻は確か4時半ごろだったか。認めたくはないが、正直酒が残っていて、軽い二日酔い状態。うーむ、この状態で早朝から山岳ブルベを走れるのだろうか……

とにかく水を飲んでシャワーを浴びて、ゆっくり準備を始める。スタートは7:00なのでブリーフィング等を考えると1時間前にはスタート地点に着いていた方がいいのだが、さすがに今回はギリギリまでスタートを遅らせることにした。それでもツイッターを見てみるとpikaさんは6時前で既にスタート地点近くの吉野家で牛丼を食べていた。恐るべし…

そして、着替えようとして荷物を開けて、レーパン(ビブショーツ)が無い事に気がついた。そういえば、確かに入れた記憶がない……。厚手のジャケットを持って行こうかどうしようか悩むのに気を取られていて、入れ忘れたようだ。なんという失態!

自転車に乗り始めた人が必ず通る道として、ウェアに関する考えの変遷がある。最初は、あんなピチピチのタイツみたいなの恥ずかしくて履けるかい、と思っているのだが、一度レーパンを履いて自転車に乗ってしまうと、その快適さの虜となってもう引き返せなくなってしまうのだ。長距離になると特に、パッドの付いたレーパンは必須といってよい。

で、そのレーパンを忘れてしまったのだ。200kmとはいえ普通に考えてみると十分長距離である。もうちょっと暖かい時期なら、自転車に乗るときも使える伸縮性のある七分丈パンツを着ていたのだが、今回は寒かったのでフツーのジーンズしか履くものがない。ほとんど伸縮しないジーンズは自転車ウェアとしてはかなり悪い部類に入る。

さて、どうしたものか。正直に言ってしまうと、二日酔いだったので「これでDNS(出走せず)の言い訳が出来た」と思ってしまった。しかし、わざわざ自転車持って北海道に来て、酒を飲んで帰るだけではみっともなさすぎる。無いものは仕方がない、上だけ自転車のジャージを着て下はジーンズのまま出発することにした。これはかなり、かっこわるい…

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スタート地点の真駒内公園まで自走。12km位、ほとんどサイクリングロードを通れる。寒いくらいの気温だったが、酔いを覚ますためにあえてアームカバーは付けずに走る。

向かい風であまりスピードは出ないが、天気は最高。ヒルクライムするにはまさに絶好のコンディションと言える。自分の頭とウェアを除いては…

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公園に着いたのがスタート時刻直前だったので、既に多数の参加者がスタンバイ状態。その中にジーンズで突入、やはりかなり変な目で見られた…

受付は、同じように酒が抜けない調子のY田さん。やはりジーンズに驚いた様子。「最初が厳しいんだよねえ〜」との言葉を信じてスタート…

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最初の交差点のところで、[twitter:@mariocycling]さんに遭遇。

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暫く一緒に走ったが、本格的な登りに入る前にさすがに何か腹に入れておかなければまずいと思い、最初のコンビニで停止。まだ食欲は全然無かったが、無理矢理おにぎりを食べる。後はビタミンCとソルマックを補給。

ジーンズのせいで、なんだかブルベを走っているという気が全然しない。近所に買い物に行っているような気分だ。最初の10km位は1〜2%の緩い登りを淡々と走る。いつもならこのあたり(だけ)は元気いっぱいで心拍数を上げるのだが、さすがに二日酔いではそれも出来ず。

そのうち段々山道になり、斜度もきつくなってくる。うーん、つらい…早く酒抜けてくれ…

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しかし天気は最高で、上の方に行くと所々紅葉が見える。途中、AJ北海道のyyyさんから裾バンドをお借りした。ありがたい。

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2つのピークを越えると、支笏湖までの下り。カーブも少なく気持ちよく下れる。

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支笏湖半の平地をしばらく走る。以前、パノラマ300kmの後半でこのあたりを走っているのだが、そのときは時間が遅く真っ暗で何も見えなかった。

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先ほど越えてきた山が見える。平地だが向かい風でスピードはあまり出ない。

暫く走っていると、急激に空腹感がやってきた。やっと、胃腸が動き始めてくれたようだ。国道276号に右折する所で、先ほど買っておいたあんパンを食べて補給。

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道道141号に左折し、また登り。かなり細く、いい道だが時々自動車が通る。AJ北海道のスタッフの方がいて写真を撮られたり。

ピーク直前、かなりの台数の車が路肩に駐車している。登山道の入り口でもあるのだろうか?頂上には交通整理の人がいた。

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ここで再度あんパン補給、その間に何台か抜かれた。下りは5%程度でカーブも緩く、快適な下り。10kmで400m下って苫小牧へ。

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ここでやっと最初のPC1。距離はちょうど1/3の66km、時刻は10:35。貯金は約50分。山岳があったとはいえちょっと厳しい。

PC1苫小牧 いい山岳コース やっと頭がスッキリしてきた

やっと頭がスッキリして胃腸も復活したようなので、炭水化物と塩分を補給。すると、うまい具合に軽量化欲求が来たので、トイレへ。普段はビブなので大の方はジャージを脱がねばならずとても大変なのだが、今回はジーンズなので楽勝であった。ジーンズの唯一の利点である。

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相変わらず天気は最高だが、yyyさん曰くこの先ずっと向かい風とのこと…

貯金25分の11:00に出発。

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跨線橋を越えると海が見えた。

ここから西に延々走るのだが、情報通りかなりの向かい風。最初はそれでも25km/h巡航していたのだが、段々だれてきて17km/h程度まで低下。あーつれーだりーとか思いつつ下を向いて走ってたところ、後ろからきた「貧脚どうしましょう」というゼッケンの集団の方に「乗ってきませんか?」と声をかけられた。あ、ありがたい!

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というわけで、列車に乗せてもらった。途端に速度が25km/h以上まで回復。やはり列車は楽だ…(情けない)

平地区間を20kmほど走り、白老で右折して道道86号方面へ。ここで向かい風は弱まった。結局最後まで列車は引けず、無賃乗車になってしまった。集団は白老バーガーを食べに行くとのことで、お礼を言って途中で離脱。

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単調な登りで、気温が上がってきたこともあり段々眠気がやってくる。昨晩も決して十分眠れたとはいえない。厳しくなってきたので、途中、自販機のある駐車場があったので休憩することにした。

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休憩所みたいなところがあったので、入って数分突っ伏してみた。が、眠るまでには至らない。夜だったらいい仮眠場所になりそう。

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15分程休憩して出発。

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所々、鮮やかな紅葉が目を引く。もう少ししたらさぞ綺麗だろう。

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最後は6%程度の坂が数キロ続く。

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14時前にピークに到着。標高600mでかなりの絶景。下りに備えてウィンドブレーカーを着用。

しかし、下りは下りだが斜度は緩く、また向かい風が強くなり結局漕がないとあっというまに失速してしまう。全然楽が出来ない。そんな調子でPC2に到着。時刻は14:23。ここでようやくチコリンさんに追いついた。pikaさんは大分先を行っている模様。強いなあ。

PC2 貯金は30分 きつい…

補給する気満々だったのだが、既に先行するランドヌールにめぼしい食料は全部食い尽くされてしまったようで、全然残ってなかった。セイコーマートは店で作るおにぎりが暖かくて美味しいので、北海道ブルベの楽しみの一つだったのだが残念だ…クロワッサンとヨーグルトでカロリー補給。あとコーラ。

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14:46に出発。この時点で貯金はもう数分しか残っていない。まだ山岳が残っていることを考えると、これはちょっと、きついぞ…

次の区間は緩い登りだが、今度は追い風なので大分楽。

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途中、最後のグルメポイント、フォーレスト276大滝のキノコ汁の看板が見えた。ここも前回のパノラマ300kmでは時間が遅くて閉まっていた場所。今回は開いている時間に来られたのだが、何しろ貯金がほとんど無いので、泣く泣く見送り。次こそは……。(結果的にはゴールしたのがクローズ30分前だったので、寄っても大丈夫だったのだが)

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ピークの滝笛トンネルを越えたところ。ここから支笏湖まで下り。下った後は、微妙なアップダウンのある湖畔を15km程走る。パノラマ300kmで見覚えのある道だった。

その後午前中走った国道453号に合流。国道453号はなんだか渋滞しており、大分だれていたこともあり途中の駐車場で休憩。上りに入る前の支笏湖温泉でも休憩。補給食の残りがあんパン2つだったので多少不安。といってもこのあたりはコンビニが無いので、こんなので我慢。

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夕暮れの支笏湖。今回のベストショットかも。

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そして、来た道を戻る最後のヒルクライムへ。脚は売り切れ気味だが、カロリー不足で酒が残っていた朝よりは大分速いペースで上れた。10km/hが維持できていた感じ。途中でチコリンさんを追い抜いた。半ば過ぎでは真っ暗で、上を見上げると満天の星。またもやブルベの醍醐味を味わえたことに感謝。

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最後の大きなピークを越えたところで休憩。気温がかなり下がっていたので、ジャージを脱いで汗を拭き、ここまでサドルバッグに入れておきながら全く使っていなかった長袖ジャケットに着替えてしまうことにした。本当はインナーも替えたい所だが、かなりサッパリして暖かくなった。チコリンさんには抜き返されたけど。

あとは小さい上り返しをいくつか越え、札幌へ帰還。

ゴール直前で、後で打ち上げでご一緒するH川さん(たしか、間違ってたらすいません)を追い抜いた。「急いで抜かれるから、時間がぎりぎりなのかと思って焦った」とのこと。申し訳ないことをしてしまった。

ジーンズのままゴールしました。しりがいたい…

ゴール地点のコンビニ。さすがにパッドもなしのジーンズだったので200kmにしては尻が痛い。タイムは12時間弱。山岳でジーンズだったとはいえ、不本意なタイムではある。

その後1km程で、ゴール受付へ。

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ブルベカードを提出し、今年最後のブルベを完走できて一安心。ほとんど最後の方だったようだが、marioさんは更にその後ゴールだった模様。相変わらず、時間ギリギリまで観光&写真撮影でしゃぶりつくすのはさすが…

ホテルに戻りジーンズを見てみると、やはりかなりダメージを食らっていた。

流石にジーンズにもダメージが。穴が空く一歩手前。

300kmだったら、穴が開いていたかもしれない。これはちょっと、もう履けないな…

風呂に入ってリフレッシュした後、再度すすきのへジンギスカンを食いに出撃。

羊の肉だ!

今まで何度も北海道に来ていながら、ちゃんと(?)ジンギスカンを食ったことが無かったのだが、この日はたらふく食べる事ができて大満足。もちろんビールも。

乾杯!

その後、有志(?)でカラオケに行き、のど自慢大会。なんだか皆さん歌がうまくてビックリ。

翌日、pikaさんとチコリンさんはY田さんの車で北海道観光に行かれた模様。僕はこれ以上休みが取れないので素直に東京に帰ってきたのであった。


今年最後のブルベは、前夜祭で魔界の罠にはまってしまったのとレーパン忘れという失態があったものの、観光ブルベを堪能できてとっても良かった。一緒の時間を過ごした皆様に感謝。