akamano’s diary

はてなダイアリーから引っ越した放置ブログです

BRM211福岡300km大村レポート

今年2回目の、長崎空港発着遠征ブルベに行ってきた。

元々、この日は、当日輪行で行ける君津発の千葉200kmの方に行くつもりだったのだが、そちらが受付開始5分(!)で埋まってしまったため、申し込めなかったのだ。直前まで覚えていたのだが、受付開始の午前0時前にうっかり風呂に入ってしまい、シャワーを浴びながら気づいたのが23時58分。翌朝までは持たないだろうけど、まさか5分で埋まるとは思ってなかったので、急いで体を拭いてPCの前に座ったのが0時3分。そこからスポーツエントリーにログインしてBRM一覧ページを開く。よし、まだボタンがある。で、次に進むと、なぜか申込ボタンが消えている。えっうそ、これってまさか…と思っていたら、twitterのTLで「完売」の文字。画面遷移している間に売り切れてしまったらしい。人気が高いとは予想していたが、定員が120名あるのにまさか5分で埋まるとは思っていなかった。いつもなら0時ぴったりに申し込みで間に合っていたのだが、今回はしくじった…

で、がっくりしていてもどうしようもないし、悔しくて気が動転していたので、同日で開催されている福岡300kmの方についうっかり申し込んでしまった。ついうっかり、といっても一応当日朝の飛行機でスタート時間に間に合うことくらいは確認したのだが。



飛行機は、羽田を6:20発。最初は、浜松町まで自走してモノレールの始発に乗るつもりだったのだが、飛行機輪行でも一応安心のOS-500輪行袋は小さくたためないため、自走で持って走るには相当の無理がある(背中に縛り付けて走った強者もいるみたいだが)。かといって、いつもの薄い輪行袋では不安が大きい。さりとて、最寄り駅からの始発では飛行機に間に合わない。どうしよう、と考え、前日に羽田空港近くのホテルに前泊するという手を考えた。

泊まったのは、京急大鳥居駅徒歩30秒の東横インProject DIVAを作っている某ゲーム会社のすぐそばだった。

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金曜仕事を早めに終わらせ、自宅で輪行の準備をしてホテルにチェックインしたのが22時過ぎ。金曜の夜ということで電車の混雑を恐れていたのだがたいしたことはなかった。いつもの夜更かしのせいでなかなか寝付かれず、睡眠時間は4時間くらいしか取れなかった気がする。朝4時起床で、5:26発の京急始発で羽田空港へ。

窓際の席から、南アルプスの山々?がよく見えた。搭乗時間中も寝るつもりだったのだが、結局うつらうつらしただけ。

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長崎空港に到着。自転車を組み立てていたら、関西から遠征の[twitter:@hayavusa]さんが合流。同じOS-500輪行袋。タクシーの運ちゃんが何人か寄ってきて、おきまりの「どこからきたの?」「どれくらい走るの?」「タイヤ細いねー」「この自転車いくらするの?」という会話。

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輪行袋は、コインロッカー大に余裕で収まってくれた。hayavusaさんは小に押し込めたらしい。

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早速出発するが、いきなり忘れ物発覚。ブルベ必需品の一つ、反射ベストをコインロッカーのリュックに忘れてしまったのだ。これが無くては出走できない。仕方なく、hayavusaさんと分かれて一人空港に取りに戻った。コインロッカーを開けて取り出し、また閉める。500円を無駄にしてしまった…

国道34号を南下し、高速道路をくぐるとスタート地点の公民館。なんとゴール後はここで休憩できるという。朝方帰ってきた後に帰りの飛行機の時間までどうしようかと心配していたのだが、これなら安心だ。ありがたい。

ブリーフィングでは、下りの急カーブの危険地点などについて説明があった。11時スタートは数人しかいなかったので、質問などもあまり気兼ねなくできる。最初期のブルベってのは、みんなこんな感じだったのかな。

ブリーフィング後、ほぼ最後尾からhayavusaさんと一緒にスタート。最初から地味に登っている。最初の坂でhayavusaさんが結構とばすので、いきなり息が上がってしまった。これは、付いていけないかもしれない…。平地も30〜35km/h巡航。坂道も重いギアでガンガン踏んでいくスタイルのようだ。

そんなペースだったので、11時スタートの他の参加者にすぐ追いついてしまった。そこからはしばらく割とゆっくりめ。hayavusaさんは多少不満気味?

その後前方を追い抜き、諫早湾の堤防道路へ。途中1台を吸収して3台列車。相変わらず先頭のhayavusaさんは30km/hを維持していたが、堤防道路の終わり近くで速度が落ちてきたので、僭越ながら先頭交代。そのまま国道251号へ。

しかしそこから先はなぜか微妙な向かい風。アップダウンも多くあまり速度が上がらない。僕の先頭引きは早々に終了し、また交代されてしまった。情けなし。

島原鉄道沿線を走りつつ、そろそろ昼飯場所の検討しますかねえ、という話に。島原駅まで行けば街があるらしいのでそこまで行く事にする。

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で、来てみたのだが、思いの外これというのがない。せっかくだから地元っぽいものを食いたいのだが、土曜だとやっていない店も結構あるようだ。時間に余裕があったので(これも罠だったのだが)、島原城の周辺や商店街をうろうろしてみる。商店街の終わりのあたりに、総菜屋なのか観光情報スポットなのか、こんな雰囲気のイートインできる店があったので入ってみた。

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揚げ物数点とパック入りご飯を買い、あとうどんを注文。500円と安い。ご飯が冷たいのが悲しかったがまあ許す。カロリー的にはあと数十キロは走れそう。

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飯を食って出発。さすがにhayavusaさんのペースが落ち気味なので、多少先頭を走る。雲仙普賢岳が見えた。(この写真がそれかどうかはよく分からない)

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と、警察が現場検証をやってるところを通過。リクセンカウルの付いた自転車があったので、ひょっとしたらブルベ参加者か?と思って引き返したら、やっぱりそうだった。hayavusaさんが一応主催者に連絡していたが、自身もオダックス近畿でブルベを主催する立場の方としては、連絡されたら動かざるを得なくなってしまい、果たしてよかったのか悪かったのか、と語っておられた。やはり、自分でブルベを運営する立場に立つと色々あるのだなあ、と思った。

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3台だった列車がいつのまにか2台になり、PC1に到着。

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昼飯に時間を使った上に元々11時スタート組は少なかったので、我々がほぼ最後尾のようだった。まったりと残っていた参加者の方と話をするなど。

次はhayavusaさん先頭で出発。しばらく海沿いを走る。

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内陸に入ると、微妙な丘のアップダウン。このあたりになるとhayavusaさんも坂でスピードが落ちてきた。早くもコースとスタッフに対する悪態が出始める(笑)。

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温泉地を通過。小浜温泉といったかな? 山の上が温泉地のようで、このあたりでひとっ風呂浴びて…みたいな妄想もあったのだが、さすがにそこまでの時間はなく、登る気にもならないのでスルー。道路のあちこちから水蒸気が吹き出ているのが温泉地っぽい。

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国道57号、251号から途中で左に分かれ、海岸線近くの市道を通る。ここがかなり荒れた舗装(というか、コンクリート)で、スピードが出ない。「この悪路はPBPの最後の方を思い出しますねえ」などという話をしていた。その後、一旦国道に戻って再度、1車線幅の市道へ。トンネルがいくつもあり、ブリーフィングでライト点灯を指示されていたところだ。上の国道よりはかなり標高差が少なくなっており、このあたりはコース設計者の優しさを感じた。

暗くなりかけた頃に、PC2に到着。このあたりは山一つ向こうが長崎市街で、リタイヤするならここだ、と決めていた場所。しかもここから先はアップダウンが厳しくなる。とはいえ、今のところ時間にも余裕があるし、我々にはDNFという選択肢は無かった。

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寒いので?長崎ちゃんぽんを食いに行く、という話になり、iPhoneで適当に探すとすぐ隣に中華料理屋があったのでそこに突入。これから山岳だしこういう時はしっかり座って飯を食うのが重要、というのが教訓、だったのだが、今回に限ってはどうだったかちょっと自信が無い。

アルコールを置いてないという、ある意味いさぎよい?店。普通のちゃんぽんと特製ちゃんぽんがあったので、迷わず特製をチョイス。

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食い終わった後、あれこれ話をしていると唐突に内股が攣って激痛。こんな事は、今までブルベでは無かった気がする。前半のhayavusaさんの引きが相当厳しかったようだ……。

その後、半島を南下するにつれ山道になってきた。高い峠があるわけではないのだが、結構なアップダウンの連続。hayavusaさんも「あーなにしに来たんだっけー、長崎でカステラ食うんじゃなかったけかなー」と悪態つきまくり(笑)

とはいえ、夜の山道を通っていると、上空には冬の星々が洪水のように見える。ふと上を見上げて感動。毎度のことだけど、これぞブルベ。

途中トイレに寄りたくなったのだが、さすがに山中・田舎にそんなものはなかなか見つかるはずもなく。そこで(中略)なぜか尿意が消えていたのであった。すっきりしたので缶コーヒーで休憩。日本で走っててヨカッタ。

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という具合で途中抜いたり抜かれたりしてPC3に到着。

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ここで、寒さと疲れでリタイヤを決意した参加者が2人いたのだが、「あーなぜPC2を出発してしまったのだろう」と後悔されていた。というか、hayavusaさんも後悔していた(笑)。「勝浦200kmの人はもう帰ってビール飲んでますよ絶対、あー申込みにたった1分遅れただけで」と煽られる(笑)。リタイヤした方は、これから宿をどうにか探して、無ければラブホでも、それもなければゆっくりと長崎までどうにかして戻る、とおっしゃっていた。大変だ… 聞くところによると、PC2でそれなりの人数が離脱していったのだそうだ。

hayavusaさんが、カップヌードル(シーフードBIG)にバターロールパンを漬けながら食べていたのが印象的だった。確かに、腹に流し込むには効率良さそうではある。曰く「カップラーメンを食ったあたりからが、真のブルベですよねえ」。うむ、至言だと思います。といいつつ、僕は胃腸が弱いのでゼリーなど。一応お守りとしてシリアルチョコバーをポケットに突っ込む。

PC3を出発すると、hayavusaさんの眠気がかなり限界だという。居眠り落車は最悪なので、スピードを落としてどこか寝られる所を探す。小屋になっているバス停、精米所、コインランドリーなど… しかしこういう時に限って見つからないものである。聞くと、実は昨日3時位まで、自身が主催される京都ブルベの事務処理をやっていたとのこと。また、今後しばらく週末は来年(来年のコースは今年の9月くらいまでに提出しないとならない)のブルベコースの試走やら何やらで予定が全部埋まってしまっている、というような事もお聞きした。昼間の事故の時も思ったが、やはりスタッフというのはかなりの苦労があって、ブルベというものを今後も維持していきたいのなら自分もその立場にならんといかんなあ、という思いを強くした。とか書いてるばっかりでなかなか行動に移せないのだが……

街中をしばらく走っていると、右側にコインランドリーを発見!早速hayavusaさんはピットイン。僕はまだしばらく大丈夫そうだったので、先行することにした。ここから、今回初めての一人旅に。

しばらくゆっくり走っていたので脚が回復しており、35km/hで市街地をかっ飛ばす。調子に乗ってボカロソングも口を突いて出てくる。と、ふと前輪ハブ位置に取り付けたDosun A2ライトがバッテリー切れ近いサインを出している。夕暮れから点けてるので5〜6時間位は経過しているので、まあこんなもんか。Dosun A2は周囲の明るさに合わせて出力を自動調整するモードで使っていたのだが、日が暮れてからはおそらく最大出力でずっと照らしていたのだろう。今から考えれば、手動でLOWモードにしておいたほうが良かった。もう1つのHL-EL540はまだ健在。(電池はいずれもeneloop pro) 次のコンビニまではなんとかなるだろう、と判断。

GPSルートがループを描いている場所に到着。どうやら、上に見える橋を渡るようだ。

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暗くて何も写ってないけど。かなりの斜度のスロープを上り、女神大橋へ。

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キューシートには歩道に入れと書いてあったのだがうっかり車道側に出てしまい、途中で担いで歩道に復帰。下った先には交差点があり、どっちのトンネルに入ろうか迷う。ここでミスコースしたという人に追いついた。ふと見ると、Dosun A2は電池が切れていた。

トンネルを抜けると市街地、暫く走ったらファミマがあったので停車。やれやれ。奮発してエボルタを8本買う。

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電池を交換していると、パトカーがやってきてお約束の「なんか大会あるの?」の質問。まあ、私的サイクリングってやつです、と模範解答。どこから来てどこに行くのか、回答に困る。

その後100m程の山をいくつか越え、最後の登りで、何人かとすれ違い、有人チェックのPC4に到着。寒い中、御苦労様です…

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熱いスープとラスクをもらってちょっとだけ回復。Edge800の温度計によると気温は既に0℃から氷点下あたり。時刻は深夜1:30。あまりゆっくりしてると本当に体が冷えてしまうので、トイレによって早々に出発。最後登った分下りが寒い。

次の区間が今回最大の山岳区間で、標高250m位まで細い林道みたいな道を登る。さすがに脚は売り切れ気味で、時速8km位しか出ない。途中、こんなの絶対GPS無かったらワカランだろ、みたいな分岐を通過。下りは下りで寒い。あと、どこか忘れたが、さっき替えたばかりのDosun A2がまた電池交換サイン。どうやら寒すぎてアルカリ電池ではろくに電圧が上がらないようだ。仕方ないのでEL540用に買っておいた電池も投入。

以前仕事で来たことのある時津の街を走るが、真っ暗で流石によく分からなかった。そしてPC5到着。

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暖かいコーヒーなどを飲んで出発。山を越えて下りきったあたりで、流石に眠気が厳しくなってきた。時刻は4:20。最初のマイクロスリープが来たところで諦めて自転車を降り、路肩でうずくまる。寒くて眠れる状況ではないが、多少はマシになる。その間に何台か抜かされた。5分も耐えきれずに再出発。

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信号待ちで止まっていると、「後ろに付いて行っていいですか」と声をかけられる。目がかすんで見えにくくなってしまった?とかで、キューシートがよく見えないらしい。こういうときはお互い様なので、先導することにした。

しかし、あまり速く走るとちぎれてしまうので負荷が上げられない。時速20km/h以下キープだが、必然的に心拍が下がり、激しく寒い。気温は-3℃位。これは、つらい……。最後の数キロは、ゴールはまだか〜まだか〜とだけ考えながら走っていた。

そしてゴール。時間は結局、クローズ1時間前の19時間位だった。手続きを済ませ、お楽しみの豚汁をいただく。

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寒かったので七味唐辛子をタップリと。なんだか体中が妙にかゆかったのだが、ゴロッと横になったらいつの間にか眠りに落ちていた。

ふと気がつくと、外が明るくなっていて、hayavusaさんがゴールしていた。聞くと、クローズ3分前だったのこと。さすがだ…… AJ福岡代表の団子虫さん(芸名)とも色々話ができた。

スタッフにお礼を言い、空港へ。hayavusaさんは飛行機が午後らしいので空港近くの温泉へ。僕は飛行機まであまり余裕が無かったので直行。hayavusaさんは尻がかなり厳しいらしく、ずっとダンシングだった。ちなみに公民館を出発するときには既に記憶の改ざんが完了していたらしく、「ああいいブルベだった」と仰っていた。

空港でボトルの水を捨てようとしたら、何故か飲み口から水が出て来ない… 開けてみたら、飲み口の水が凍っていた。外で寝たら死んでるなあ。

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あとは普通に飛行機輪行で帰京。帰る途中に、折角長崎で買ったおみやげのカステラを東京モノレールの中に忘れてしまった。


このブルベで改めて感じたのだが、ダイエットで小食にしてると、明らかに胃腸の消化能力が落ちる。当たり前と言えば当たり前のような気がするのだが。胃腸が弱いのはロングライダース、特にランドヌールにとっては大きな弱点で、補給切れ即ハンガーノックの危険を伴う。また、あまりにも疲れていると何も食べられなくなってしまう。

しかし、今年の目標である山岳ブルベの完走には、軽量化も欠かせない要素である。このジレンマをどう解消するか……というか、胃腸を鍛えると称して必要以上に食べてしまいそうなのが怖い。

あと、前回の静岡200kmに引き続き今回もかなりの区間を一人ではなく二人で走ったのだが、やはり眠気対策という意味では複数人で走るのがとても有効だし、また色々な話が出来たのがよかった。飯なども、折角だし地元の味を探すか、というモチベーションが上がる。PCやゴールなどで話をするだけよりも、繋がりが深まってよいなあ、と思った。

とはいえ、今回は300kmだったからまだよかったけど、自分より速い人のペースに無理して付いて行くのはかなり危険だなあ、とも思った。PC2の痙攣がもっと酷かったら、走れなくなっていたかもしれない。やはりトレーニングが必要である。